――改めてお聞きしますが、25年間、解散もせず、コンビを続けて来られた秘訣は?
修士「僕が常に我慢しているとは思うんですよ。何度も相方のことで怒られましたから。昔の話で言うたら、小堀が前の日に飲みすぎて、仕事に大遅刻したことがあったんです。そのときは僕が、先輩の芸人からスタッフから、いろんな人に謝り倒して。初めてですよ、謝りすぎて気持ち悪くなったのは(笑)。コンビやから仕方ないんですけど、そういうことも全部ぐっと堪えてきたっていうのは、自分でも偉いと思いますね(笑)」
――堪えることができたのは、小堀さんの才能を信じているから…?
修士「う~ん…そうかもしれないです。何ていうか、小堀は俺の“ブースター”であってほしい、っていう思いがあるんですよ。2丁拳銃というロケットが大気圏を突破したら、ポーンと切り離すつもりなんですけど(笑)、宇宙に出るまでは頑張ってくれよ、という。ただ、そのブースターも最近サビてきて、もはや必要なのかどうか、分からなくなってきてるんですけど」
小堀「(笑)。でもホンマに、僕がいろんなことを好き勝手にやらせてもらってるから、コンビも続けられてるっていうのはあると思います。コンビって常に2つの意見があるわけで、いくら僕がやりたいと思っても、修士がやりたくないって言ったらできないんですよ。で、そういうときのはけ口が、僕の場合はお芝居とか落語とか、音楽だったりするわけです。それが、いいガス抜きになってる気はしますね。まぁ、ブースター的なパワーは弱まってるのかもしれへんけど」
修士「えっ、お笑いではできないことを、バンドとかDJとかでやってるの? 弾き語りも?」
小堀「そう。帰る家がいくつもあるのがいいですね。夫婦だって、嫁の機嫌が悪いときは帰らんでおこう、みたいな方が長続きするじゃないですか」
修士「いや、続かへんやろ…」
――(笑)。では敢えて、お二人にお互いを褒め合っていただきたいんですが…。
小堀「それは難しい質問ですね」
修士「(笑)。うーん、小堀を褒めるとしたらやっぱり、実はすごくマメっていうところかな。あと、とっつきやすくて誰とでも友達になれるってところは、かなり能力高いと思います。ただ、嫌われる能力も高いんで、長く付き合ってると結果、プラマイゼロになるっていうね(笑)」
小堀「修士は、僕とは性格的に真逆なんで、そこはすごく助かってます。“几帳面”とか“真面目”という部分を1人で担当してくれてるので、その分、僕は伸び伸びと好きなことがやれる。これがもし、二人とも真面目やったら、誰も近付いてこないようになると思うんですよね」
修士「不真面目なおまえが言うなよ(笑)」
――26年目以降に向けて、何か目標はありますか?
修士「僕個人で言うと、俳優の仕事がしたいです。映画『火花』(2017年)に出させていただいたときに、僕の演技を褒めてくれる方もたくさんいたんですが、その後なかなかオファーが来ないんで、この記事を読んでいる業界関係者の方もぜひよろしくお願いします!(笑)」
――小堀さんはいかがですか? 先ほど『キングオブコント』の話も出ましたけれども。
小堀「お客さんに、僕らがコントすることに慣れてほしいんですよね。正直、僕ら自身も今までコントのことがよく分からなかったんですよ。劇場でコントをやるときは、リハーサルのために早めに入らなあかんとか、小道具の用意の仕方とか、そういうことも含めて、コントというものに最近ようやく慣れてきたところなんで、お客さんも僕らのコントに慣れてもらいたいなっていう。それで最終的には、やっぱり『キングオブコント』で優勝したいです。何年掛かるか分からないですけど」
――漫才とコントは、やはり全く別物なんでしょうか。
小堀「そうですね。もっと言うと、同じ漫才でも、コンテスト用の4分の漫才と『百式』の100分漫才では全然違いますから。100分の中から4分を切り取っても、4分の漫才にはならないんですよね。マラソンと100m走の違いみたいなもので、使う筋肉が違うんです。だからこれからは、漫才もいろんな形をやりながら、コントの方も極めて、唯一無二の“お笑い筋肉”を作っていきたいと思ってます」
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