ついに最終章となる「明治編」に突入した大河ドラマ「西郷どん」(夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。
10月28日に放送された第40回からは、主人公・西郷隆盛(鈴木亮平)が鹿児島から東京へ上り、政の中心へと戻ってきた。
一方で、大久保利通(瑛太)から上京を促されるも、鹿児島から出ることを拒否したのが、薩摩の国父・島津久光(青木崇高)だ。仮病を使い東京行きを拒む久光が、かつての側近である利通に突き放され涙を流すシーンは、視聴者の間で「切ない…」と話題になった。
そんな久光を熱演している青木に、クランクアップ直前にインタビューを行い、思いの丈を語り尽くしてもらった。
失礼のないように祈りながら演じていました
――あと1シーンでクランクアップとのことですが、1年以上どのような思いで久光を演じてきたんでしょうか。
「天国の久光さんが見てたらどう思うかな」とは思いながら、なるべく失礼のないように祈りながら演じていました。
僕としては、役にちゃんと向き合ったつもりでいるので、撮影が終わったあとに鹿児島に行ける機会があったら、久光さんのお墓にちゃんと手を合わせたいと思っています。
一時期、公式サイトで質問を受け付ける企画があったんですけど、その時に小学校6年生の女の子から投書がきて、その子が夏休みの自由研究のテーマとして、島津久光を選んでくれたそうなんですよ。
ドラマを見ていただいて、自分なりの演技が、その人物に興味を持つきっかけになったことがすごくうれしかったです。その子の人生に、ちょっと自分のエネルギーを送ることができたのかなとか思ったりしました。
――利通との決別のシーンを撮影した時にはどのような気持ちになりましたか?
あのシーンは、いい緊張感の中で撮影ができました。
1年以上演じているキャラクターは、自分の心の中でちゃんと育っているので、劇中での役同士の別れは僕の中でもきちんと消化させたいという思いがあって、育ててきたものをぶつけ合う時には、芝居だけじゃなく儀式に近いような心境にもなるんです。
今回のシーンでは、ちゃんと「お別れ」させることができたなと思います。瑛太くんとも「ありがとう」って言って終わることができて、うれしかったです。キャラクターを送り出せたような、不思議な気持ちになった撮影でした。
大久保とのシーンは数少なかったですけど面白かったので、もうちょっとたくさんやりたかったですね。