<西郷どん>青木崇高、クセが強い国父・久光を熱演!『端でしっかりと存在感を残せる存在に』

2018/11/04 17:00 配信

ドラマ インタビュー

島津久光役の青木崇高がクランクアップの心境を明かした(C)NHK

人物の変化を描いてこそ、大河ドラマなんじゃないかな


――幅広い年代を演じられるために、意識した点はありますか?

1年間の放送の中で、人物の変化を描いてこそ、大河ドラマなんじゃないかなって思っています。

どんな人に出会うとか、どう強くなったり弱くなったりしていくのかというところを見せるのが面白い部分だと思うんです。だから、変化は最初から意識していましたし、ある程度は、自分の中でどのように変わっていくのかという道筋を立てていました。

ただ、自分自身がやっていく中、最初に考えていた時とは違った変化が生まれていくので、その発見も楽しかったです。

演じていく中で大久保や各キャストとの距離感も変わって、自分の中で新しい感情も生まれてきて、そしたら「もっとこういう見せ方をしたら面白く届けることができるのかな」とか別の考え方も出てくるんです。

それが、1人の人物を長期間演じていく中での“ご褒美”みたいな部分で、すごい良い体験をさせてもらっていると思っています。

――久光は、衣装も変化が大きかったですね。

今回は、最初から衣装さんやメイクさんと「こういう人生を送られる方なので、ここがポイント」などのお話をたくさんさせていただいて、そのイメージにあった衣装を用意していただいたりすることもあったんです。大河ドラマが3作目になりますが、そうやって自分から提案させてもらったことは初めてでした。

それができたことで、自分の持つ小道具もどんどん変わっていったり、演技も乗ってきた部分が多くあると思っています。

体重を増やしたり、マスカラしたり、もみ上げも広げていって、カツラも白髪混じりでまげも小さくしてちょっと後ろに下げるとか、見た目の変化をつけることで、中身も変わっていきました。

ずっと大河をやられているNHKのスタッフさんたちなので、「強い威勢を張っている場面だったら、どういう色がいいんですいか」って聞いたら、「久光だったらこういう色とかもありかもしれない」とか、いろんな色の組み合わせなどを教えてくれるんです。

だから、本当に勉強になること多かったです。

久光は西郷の人生には寄り添わないキャラクター


――隆盛との関係性もかなり変わってきたと思いますが、対面して演技している時にはどのような心境でしたか?

全ての役に言えることだと思いますが、小さな世界で「個人的に嫌い」という感情でやりあっているのではなく、日本の状況や、時代の大きな流れの中で意見をぶつけ合っているんです。久光としては、西郷がどんな人間になっても、“一人の家臣”として向き合っていたと思います。だから、西郷と向き合っているときは、この物語の主人公として見ないようにしていました。

――役同士の距離感については、どのように捉えて演じられていましたか?

ドラマは、西郷という存在を中心にした目線で語られる物語なので、僕はその世界の中の端でしっかりと存在感を残せる存在になろうと考えていました。

久光が嫌われたりすることで、心情的な距離感が広がったり、西郷が江戸に行ったりして動いていく中で、久光は絶対に薩摩から動かないという物理的距離を生むことで、物語全体の幅も大きくなるような気がしていて。だから、久光は西郷の人生には寄り添わないキャラクターでいたいと思っています。

なかなか当時の距離感を今の感覚の視聴者に伝えることは難しい気がするんです。でも、飛行機も電車もない時代に、あれだけの距離を西郷が動き回っていたのはすごいエネルギーだということを、久光が動かないことで伝えられたらいいなと思っています。

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