――宮藤さんがゲストの方に「こういうことをやらせてみたい」ということはありましたか?
宮藤:これまでにあまり一緒に仕事をしたことがない人にお願いしたので、そういう意味ではどこかに不安はありました。高畑(淳子)さんは怒るんじゃないのかなとか。真面目に怒られたらやだなって、現場に来るときは緊張してました。
桃井(かおり)さんが出るって決まったときは、こんな形で一緒にやることになるとは思っていなかったので。本を書く時には、距離を置かないといけないかなと思ったり。そういう意味ではあんまり接点がない方が多かったから書けたってこともあったかもしれません。
書く上でも僕もすごく勉強になりましたね。本当は同じ台本をこの人とこの人がやったら違うっていうのが究極の面白さだったというか、最初はそれを目指していたんですけど。でもやっぱりそれは難しいなということで、こういう形になりました。
――遠藤さんは受けの芝居で、ガンガン攻められていましたが、自分も攻めたくなることはありませんでしたか?
遠藤:台本を読んで、攻めることはこの役ではしないと思っていました。とにかくシンプルにフラットに来るものを見て、聞いて、その中で感じたものを自分の中に取り込んでいく作業だと思っていました。
他の現場でもちょっと変わり始めているというか、この作品の影響だと思うんですよね。俺自身にしか分からないと思うけど、でも奥側に入っていかないようにするというか、この作品をきっかけにそれを見つけたところです。自分にとってすごく新しい領域になっています。
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