――右近と左近兄弟については、どう捉えていらっしゃいますか?
佐藤「左近は世の中になじめてない兄ちゃんにもっと上手いことやれよと言いながら、世の中に合わせている自分に疑問を感じて、兄ちゃんに憧れを持っている」
山田「そういう左近の心情を象徴しているのがオフィスのシーンだよね」
佐藤「鬱屈したものが出てますよね」
山田「2人はすてきな兄弟だと思います。兄弟じゃないかったら、一緒の場にいることがなかった2人だと思いますし。お袋から兄貴に様子見てこいと言われているから訪ねてくるんですけど、でも会いたいんですよね、兄弟だから。心配もしてるし、憧れもある。男兄弟っていいなって思いました。俺は姉2人なので」
――左近は右近を助けるけれど責めない。そんな左近が居酒屋で右近を殴るシーンがありますが、あのシーンで2人はようやく対峙したということでしょうか?
山田「いや、あの2人はあのやりとりを100回以上やってると思います」
佐藤「日常なんですよ、あれは」
山田「それで右近は毎回殴られて、泣いてるんだと思います」
――今作では牛山の存在も大きかったと思いますが、牛山、そして荒川良々さんについてお聞かせください。
佐藤「僕、映画を観終わったときの感想は『牛山めっちゃいいな』でした。ぴったりの配役だなとは思ってましたけど、ここまで牛山の存在が胸を打ってくるとは思わなかったんです。すごい感動したんですよ。想像していたよりも感動したので、それは荒川さんの力なんだろうなと思いました」
山田「牛山はこの中で一番ピュアな存在なんですよね。荒川さんとの共演は2度目なんですけど、すごい好きなので一緒にいると安心しました。右近も牛山に対して、そうだと思うんです。牛山は俺がいないとダメだと思ってるんですけど、実際ダメなのは右近の方で、牛山は一人でも生きていける。右近は牛山に友情を感じているんですが、そういうところが自分自身とリンクしてたので、すごくやりやすかったですし、共演できてうれしくてしょうがなかった。撮影で泊まりがあった時に2人でご飯に行ったんですよ。その後、スナックに行って、カラオケとかしてすごいうれしかったんですけど、後日聞いたら、実は大してしゃべったこともなかったのに、2人でご飯なんてどうしようと思っていたらしくて」
――山田さんはそれに気づかず?
山田「淡々としてたんですけど、実はキョドッてたらしいです(笑)」
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