『怖い映画は苦手』な黒木華 でも…“血まみれ”体験は「楽しかった」
監督は役者に対して愛のある方
――黒木さんはもともと中島監督のファンだったそうですが、中島作品の魅力とは?
感覚的な部分もあり、言葉にしづらいところもあるのですが、まず映像がオシャレですし、アングルも含めて斬新な切り取り方をされるので、いつも刺激を受けています。こんな言い方をすると、中島さんから「浅い!」と怒られるかもしれませんが(笑)。
――大好きな中島監督との初仕事、さらにはこれまでにない役に挑戦されて、ご本人の中で何か成果はありましたか?
大きな経験になったと思います。お芝居の仕方や見せ方をより意識するようになりましたし、役として自然体でいることをすごく考えた現場でした。私はわりとハキハキと話すので、言葉が聞き取りやすい方だと思うのですが、監督からはそれを逆に芝居っぽいと言われたりもしました。
――中島監督からは相当手厳しい指摘をされたそうですね。
本当にいろいろ指導していただきました(笑)。それは、役者に対して愛のある方なので、ちゃんと言ってくださるんだと思います。だから何を言われても、この人が面白いと思ってくれるものに近づきたいと思えるんですよね。
――今回の撮影を振り返っての感想を教えてください。
もちろん映画はフィクションなのですが、リアリティーを持った芝居というのはどういうものかと考えた数カ月でした。それは自分にとって、とても勉強になりましたし、今出演しているドラマ「獣になれない私たち」(日本テレビ系)でも、素直な反応ができているかなと考えるようになりました。何より、中島さんにこだわりを持たれている監督の現場に参加できたことが本当にうれしかったです。
くろき・はる=1990年3月14日生まれ、大阪府出身。B型。大河ドラマ「西郷どん」(NHK総合ほか)、ドラマ「獣になれない私たち」(日本テレビ系)に出演中。また、2019年放送予定のスペシャルドラマ「松本清張『疑惑』」(テレビ朝日系)にも出演
取材・文=馬場英美
公開中
配給=東宝
原作=澤村伊智/監督・脚本=中島哲也/出演=岡田准一、黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡ほか