昇太自身、まくらのネタ集めはどうしているのか。「僕の場合は、普段から意識的にネタを拾っているということはないんですけど、自分にちょっと不幸なことがあると、(まくらで話せるため)ちょっとうれしいです(笑)。幸せな話は(他人が聞いても)面白くないし、逆にすごく不幸な話は笑えないからダメなんです(笑)。なので、実はこの“ちょっと不幸”が大切なんです。そういうことを覚えておくのが面白いまくらを作るコツといえばコツなのかもしれないですね」と昇太。
まくらの重要性を熱く説く姿からは、昇太の落語への愛がにじむ。「まくらを聞いてもらって、落語家さんたちがこういうセンスで物事を見ているというのを知っていただきたい。その先に『こんな人たちがやる落語ってどんなだろう』と興味を持っていただけたらとてもうれしいですね」。
ちなみに、正月は寄席の掛けもちなどが増え、落語家にとっては嬉しい反面、つらいこともあるそう。「落語家にとって一年で一番忙しい時期なのですが、正直言って『お正月なんて来なければいいのに』と思うこともあります。実はあまりもうからないんで…。何でかっていうと、会った後輩の前座さん全員にお年玉を配らないといけないから! よく会う人ならまだしも、ほとんど会わないような人に渡すときは、なんだか胸がもやもやするんですよね(笑)」
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