2019年1月11日(金)より東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて舞台「妖怪アパートの幽雅な日常」が上演される。
主人公・稲葉夕士は中学時代に両親を事故で亡くし、親戚の家に居候の身。高校進学を機に寮に入ろうとするも、入寮日目前にして寮が全焼。紆余曲折ありつつなんとか下宿先を見つけ、念願の一人暮らしをすることになるが、住人は人間と――幽霊!?
今回は高校生組の稲葉夕士役:前山剛久と長谷泉貴役:小松準弥に、舞台の見どころや自身の一人暮らしのエピソードについて話を聞いた。
稲葉夕士役:前山剛久
――自分と役の共通点は?
前山:固定概念じゃないですけど、物事をがんじがらめに考えたり、感じちゃう所は同じですね。この作品の中では「孤独」を扱っているんですけど、僕も学生時代から心のどこかで孤独を感じたりしていたんです。友達と話すことは好きなんですけど、人付き合いとか、そういうのに心の中で悩んでいるのは最初の夕士と似ているなって感じます。
――いままでの一人暮らしで印象にあるエピソードは?
前山:最初の一人暮らしって、よく分からないから親に聞いて、家具を一緒に決めたりするじゃないですか。とってもありがたいんですけど、それが全然趣味と合わなくて!(笑) 黒とかモノトーンにしたいのに、緑とか明るい色を入れたがるんですよ! だから、次に引っ越した時に変えて家具の色を統一させました(笑)。今は理想のお部屋です!
―舞台の見どころを教えてください。
前山:主人公は分かりやすく成長するわけではないんですけど、内面を大切に、一歩一歩を大事にしている作品で、今の時代だからこそやる意味がある舞台だと思います。大人になる過程で、誰もが不安になって悩んだことが描かれている、そんな共感できる作品です。共感や不安や涙など、自分自身のいろんな感情を見つけるきっかけになる舞台になると良いなと思いますので、ぜひ劇場で観ていただければ嬉しいです。
長谷泉貴役:小松準弥
――自分と役の共通点は?
小松:ありがたいことに「ビジュアルがすごく似てるね」って言ってもらうことが多くて。外見は似てるのかなって思うんですけど、でも中身はどちらかというと夕士側かな。でも、ステップアップするには自分とは真逆の人間を演じることが必要な気がしていて。そう思っている時に長谷を演じられるのは、ちょっと運命を感じますね。
――いままでの一人暮らしで印象にあるエピソードは?
小松:部屋の隣人がすごく歌う人で……。しかも、朝と夜にしっかり歌うんですよ(笑)。鉄筋なのに毎朝聞こえるし、結構上手だから目覚しにしていて(笑)。選曲的に年の近い人なんだろうな~って思っていたら、ある日隣からものすごく喧嘩している声が聞こえて、怖いなって思って「次引っ越す時は防音がちゃんとした所にしよう」って。堅く決意して引っ越したので、今は隣の生活音全然聞こえないです(笑)。
――舞台の見どころを教えてください。
小松:まずは夕士を支えられる親友でありたいなと。友達との何気ない日常とか、大切なことを見直せる舞台だと思います。自分自身で決めてしまっている枠から一歩踏み出すと、身近に学ばせてくれる人や助けてくれる人がいるし、いろんな世界が広がっているんだよって伝えたいと思って稽古に取り組んでいます。舞台を観て、色々な事を感じてくれると嬉しいです。劇場でお待ちしています!
この日は偶然にもおそろいの稽古着を着用。始まる前から2人のコンビネーションは抜群で、演出家と共にシーンを次々と作り上げていく。夕士と長谷、親友2人の砕けたシーンはもちろん、ぎこちない居候先の家族との会話など、生活の転機となるシーンも。親友といるときの表情の差に注目してほしい。
また、深山和香が描くコミカライズ版「妖怪アパートの幽雅な日常」の1~2巻も、舞台の予習としてチェックしておきたい。
次回は妖怪アパート組から詩人にして童話作家・一色黎明役の谷佳樹と、霊能力者・龍さん役の佐伯亮のインタビューを掲載する。
文:岩永聡美
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