近年、動画サイトを中心に話題の、聴覚や視覚への刺激によって快感を得る現象“ASMR”。そんなASMRに注目した日本初のオリジナル番組が「ヨルヨミ」(dTVチャンネル内のひかりTVチャンネル+にて配信中)だ。360度録音可能のバイノーラルマイクを駆使し、毎週異なる俳優が文豪たちの名作を読み聞かせ。視聴者の目と耳を癒やす。1月は“真夜中のラブソング”をテーマに、松島庄汰が読む江戸川乱歩「人間椅子」のほか、狂気の愛を描いた名作がそろう。第一回の太宰治「おさん」に続いて「人間椅子」を朗読する松島が、ASMRや番組の魅力を語った。
「『人間椅子』は今回初めて読ませていただいたんですが、僕がホラーが好きなのもあって、読んでるうちにどんどん気持ちが持っていかれました。こんなにゾクゾクしたのは、読書をしていて初めての経験でした。イスの中に人間が入ってる…実際になくはない設定なのがまた怖いし、興味深かったです。イスの中に入っているから、座っている女性のことを見ることはできないけれど、触覚や聴覚を使って感じる。それってどんな感覚なんだろう? 僕もイスに入ってみたいと思いました」
舞台経験が多い松島だが、舞台とこの朗読とは「勝手が違い難しかった」と言う。
「気持ちがどうしても入っちゃうんです。特に今回の『人間椅子』は手紙で語りかけるというお話なので、より気持ちが持っていかれてしまう。感情を入れ過ぎると番組の趣旨とずれてしまうんです。あくまでも視聴者を“癒やす朗読”なので。
普段とのお芝居とは逆で、気持ちを抑えることを意識しました。そのあたりのバランスがすごく難しかったです。監督からは『ウィスパーに』というリクエストもいただいたので、見てくださる方の耳のそばで囁くイメージで朗読しました。舞台では声を張るよう言われることはあっても、ウィスパーにと言われることはないので(笑)、調節が難しかったですがいい経験になりました」
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