「本気になった典馬の姿には引きつけられる」細谷佳正が語るアニメ「火ノ丸相撲」新キャラ・日景典馬

2019/01/15 19:00 配信

アニメ インタビュー

日景典馬を演じる細谷佳正。不遜な態度を見せる典馬を、細谷は声でどのようにキャラクターを作っていったのか(C)川田/集英社・「火ノ丸相撲」製作委員会

放送中のアニメ「火ノ丸相撲」が2クール目に突入し、全国大会編がスタートする。

地方大会を制した火ノ丸率いる大太刀高校の1回戦の相手となるのは、昨年のインターハイ団体3位の強豪・金沢北高校。そこでエースとして名を轟かせるのが、国宝“大典太光世”の異名を取る日景典馬だ。

火ノ丸との初対決は第十二番、名古屋城広場での野良試合。声での印象がプラスαとなり、原作以上の不遜な態度に目を引かれる人は多いだろう。

典馬を演じるのは声優・細谷佳正。キャラクターに息を吹き込む細谷に、典馬はどのような男なのか、演技のアプローチと共にこれからのドラマのポイントなどを直撃した。

「何コイツ!?」みたいな登場を


――細谷さんが演じられる日景典馬のことから教えてください。

簡単な言葉になってしまうんですけど、典馬は、火ノ丸を陽だとすると、陰の雰囲気を持つキャラクターです。強くなりたい、横綱になりたいと純粋な熱を発する火ノ丸に対して、典馬の原動力は“悔しさ”とか“失望”といったすごくネガティブな感情だと思います。

憧れだった兄・大関の大景勝が横綱に負け続ける姿を見て、大きなショックを受け、それがトラウマのようになってるんです。負けてしまったことで横綱になることを諦めた兄が許せなくて、そのことへの“八つ当たり”のようなエネルギーで相撲を取っているキャラクターだと感じています。

――そういう典馬を演じる際、意識したのはどういうことですか?

感じの悪さや、不遜な態度を取る人間だという印象を与えられるように作っていきました。

――それは音響監督からのディレクションでもあったのですか?

台本を読んだ時の個人的な印象で、直接監督から「感じ悪くしてくれ」みたいな指示を受けたとかではないです。細かい台詞のニュアンスの指示はありましたが、大まかな方向は、監督のイメージとそんなにズレていなかったんだと思います。

――典馬で注目してもらいたいシーンはどんなところでしょうか?

典馬は自分の現状をすごく不憫なものと捉えていて、この苦しみが他人に分かるわけがないという感情で土俵に立っているんですね。典馬に注目されている視聴者の方は、何でこんな感じの悪い態度を取っているんだろうと思うかもしれません。その起因となったシーンがこの先出てきます。典馬というキャラクターを楽しんでもらうためにも注目してほしいです。

――細谷さんは途中参加になりますが、アフレコ現場はどのような雰囲気でしたか?

すごく若々しい現場だなというのが第一印象です。阿部敦(火ノ丸役)さんとレギュラーでご一緒するのは初めてなんですけど。優しい人で、何の偏見もなくフラットで周りを見られる懐の大きな人だなと思いました。

初めての演者さんにことさら距離を詰めていくわけでもなく、離れているわけでもなく、ちょうど良い距離感で接していて、そういう振る舞いがすごく印象的でした。主人公でありながらも、自分のことより周りが上手くいくかを考えながら収録されている感じが、素敵だなと思いました。

――キャストの中心にいて、周りを見るような?

中心にいる感じがしないんですよ。みんなの輪を外から見ている感じがしました。主役をやっている声優、という存在感を出しすぎず、消しすぎず。何かを人に譲ってもまだそこに余裕を持っていられる人に見えました。

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