映画を見た後に映画ファンがふと考えることのひとつに「この後はどうなるのだろう?」とか、シリーズ物なら「今回と前回の間に何があったのだろう?」がある。「スター・ウォーズ」のように長大なシリーズとなると、エピソードごとの間に何があったのか気になってくる。それに応えたのが「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」(’77年)の直前までを描いた「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」(’16年)などのスピンオフ。1月12日からディズニーXDでレギュラー放送を開始する新作アニメ「スター・ウォーズ レジスタンス」もまさにそんな“間”を埋める作品だ。
舞台は「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」(’83年)から30年後、そして「スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒」(’15年)の半年前。帝国軍の残党であるファースト・オーダーがその勢力を拡大するなか、レイア・オーガナ将軍は反乱軍を発展させた組織レジスタンスを結成した。エースパイロットを夢見るカズーダ・ジオノ(通称カズ)はファースト・オーダーに襲われたところをレジスタンスのポー・ダメロンに救われた。そしてパイロットとしての腕を買われレジスタンスにスカウトされる。そこでカズがポーから受けた任務が、宇宙中のトップ・パイロットが集まる補給基地コロッサスでファースト・オーダーの協力者を探し出すこと。ところが目立ってはいけないはずのスパイ活動なのに、お調子者のカズは行く先々でトラブルを起こしてしまう…。監督のデイブ・フィローニは日本のアニメに影響を受けており、これまでの「スター・ウォーズ」アニメーションとタッチが違うのが特徴だが、3つの大きな見どころポイントがあるのでご紹介していこう。
主人公のカズの夢が“銀河一のパイロット”だけに、これまでのアニメ作品にはなかった空中戦やスカイレース・シーンが満載。冒頭でカズが乗るⅩウイングとファースト・オーダーのタイ・ファイターとの戦いはスリリングでスピーディー。さらにコロッサスで頻繁に行われているのがスカイレースで、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」に登場したポッド・レースをよりスピーディーにした空中版。だがカズの愛機はすぐに火を噴くことから“ファイアボール”と呼ばれるオンボロ…。どうなる!?
数多い「スター・ウォーズ」作品の中であまり描かれてこなかったのがスパイ活動。敵地に潜入して情報を盗み出すことはあったが、正体の知らないターゲットを探すことはなかった。だがカズはスパイの素人で、コロッサスにはさまざまなエイリアンやドロイドがひしめいている。お調子者のカズと何かにつけ役に立つBB-8、そしていいヤツだが言葉の比喩的な表現を理解できずに大騒動を起こす相棒ニークたちのコミカルなスパイ活動は見もの!
ポーがコロッサスでカズを預けるのが、かつての親友で整備工場を営むジャレク・イェーガー。ポーのことを厄介者扱いするが、過去に因縁があったのか腐れ縁なのかジャレクは自分が任務に関わらないことを条件に嫌々ながら引き受ける。そんな二人の関係はまるでハン・ソロとランド・カルリジアンのようだ。そして陽気なお調子者のカズも、学生時代から父親に面倒をかけてきたことを悔いていた。彼は父親の喜ぶ姿を想像しながらレジスタンスに入ってエースパイロットを目指すことを報告するが、父親はレジスタンスを過激派たちと呼び、カズがまた問題を起こしたと嘆いてしまう。二人の関係を修復できる日は来るのだろうか…。
このように、「スター・ウォーズ レジスタンス」にはさまざまな角度で楽しめる要素が満載。また、新世代の物語なので「スター・ウォーズ」ビギナーのキッズでも予備知識ナシで入れるし、コアファンも「フォースの覚醒」に繋がる要素を探すなどの楽しみがある。新年から家族揃って新世代「スター・ウォーズ」にハマってみては?
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