阿部進之介が山田孝之プロデューサーに「ムカついた(笑)」ワケとは?

2019/01/16 07:10 配信

映画 会見

主人公の明石幸次を演じた阿部進之介(C)「デイアンドナイト」製作委員会


阿部は「藤井監督の作品を見ていて、いつか一緒に仕事がしたいと思っていたので、僕から『飲みに行きましょう』と監督に近づいたのが始まりです。

お互いのことだったり、好きな映画の話だったりをしていくうちに企画開発が始まっていった。その後すぐに孝之が参加してくれた」と本作が誕生した経緯を語った。

また、当時、阿部演じる主人公の明石と、それ以外の役柄を山田が演じながら作っていたという特異な脚本の制作過程も明らかに。

監督の藤井道人(C)「デイアンドナイト」製作委員会


藤井監督は「普段、物語を作っているときと違って主演の阿部さんと山田さんとゼロから物語を作ってきているので、撮影中、俳優さんからシーンに対してどんな質問が投げ掛けられても答えが明確だった。

なので、コミュニケ―ションの部分で苦労した点はなく、俳優部さんと高め合って面白いシーンを作ることができた」と自信をのぞかせた。

また、阿部は、ヒロイン・奈々(清原果耶)の相手役となる男子高校生のオーディションの際、奈々を山田が演じていたというエピソードを披露。

オーディションを受けに来た子たちが戸惑っていたという話に付け加え「ただ、奈々は一緒に作ってきたキャラクターなので、だんだん芝居する孝之が本当に奈々に見えてきたのがムカついた(笑)」と山田の演技力を物語るエピソードを打ち明けると、会場は笑いに包まれた。

【写真を見る】故郷での舞台あいさつに「ただいま!」と喜びの笑顔を見せた山田孝之(C)「デイアンドナイト」製作委員会


そしてイベントの最後に、プロデュースを務めた山田は「基本的には、主人公の目線で物語を追っていくと思いますが、登場人物のさまざまな感情が複雑に入り混じる作品にはなっているので、次は別のキャラクターに注目して見てほしいと思います。

俳優が芝居をする時、『本編には出ていないシーンをその人物はどうやって生きているか?』ということをすごく考えている。その部分を考えることは大変なのですが、そこが楽しい部分ではあります。

そういう見えない部分を考えていただくと、よりそのキャラクターのことが見えてきて楽しめると思います」とコメント。

阿部は「劇中にニュース報道のシーンが出てきます。何かしらの事件が起こった時、ニュースで知ることが多いと思いますが、そこで報じられていることは一つの側面で、そこをもうすこし掘り下げたものが今回の映画だと思います。

一つのニュース報道にはたくさんの人たちが関係している。その人たちに何が起こって、どういう感情だったのか、そんなことを考えながら、もう一度見ていただくと違った見え方になるのかなと思います」とアピールした。

そして藤井監督は「登場人物がたくさん出てくる中で、『どの人が正しい』とか『この人は嫌だな』という思いを感じた方は、それぞれの“善と悪”の価値観に照らし合わせて見ていただいたと思いますが、逆の立場の人物にフォーカスして作品を見てもらうと、一度目とは見え方が違ってくるのかなと思います。

また映像的な話になりますが、風をモチーフに映画を作りました。『空気』とも表現されるかもしれません。『善と悪はどこからやってくるのか』すなわちどうやって運ばれて来たのか?という疑問を、風車や鳥のシーンなどで表現しました。

細かいシーンにいろいろなヒントが隠れておりますので、ぜひそういうところも注目して見ていただければと思います」と作品に懸けた熱い思いを語った。