10~12月の約3カ月間にわたって開催される“氷上のサバイバル 世界一決定戦”「フィギュアスケートグランプリシリーズ/ファイナル2010」。テレビ朝日系では11月5日(金)の第3戦・中国大会より放送をスタートする。3日、都内のテレビ朝日にて日本から出場予定の浅田真央、安藤美姫、村主章枝、高橋大輔、織田信成、小塚崇彦、羽生結弦の7人の選手とメーンキャスターの松岡修造、特別解説の荒川静香氏が出席し会見が行われた。
「グランプリシリーズ」は、フィギュアスケート界において、五輪、世界選手権と並ぶ3大大会の1つ。日本、カナダ、中国など世界6カ国を転戦するグランプリシリーズを勝ち抜いた上位6人のみが12月に中国で行われる「グランプリファイナル」へ出場できる。1人最大2大会まで出場でき、その獲得ポイントでファイナル出場が決定。バンクーバー五輪が終わり、'14年のソチ五輪へと向けた新たな4年の幕開けでもあり、昨年の世界ジュニア選手権で共に金メダルを獲得した羽生と村上佳菜子らのシニアデビューともなる今大会は、層の熱い日本人選手の活躍が期待される。
会見は松岡に呼ばれた選手が、手書きで書いた今シーズンのテーマを発表する形で進行。最初に呼ばれた新星・羽生のテーマは「Challenge!!」。「シニアデビューなので、とにかくチャレンジしていきたい。今、自分がどのくらい通用するか把握できていないので、まずは1戦目のNHK杯でしっかり4回転も入れたい。順位も行けるところまで、ファイナル目指して頑張りたい」と力強く宣言した。
次にベテランの村主が、「凛(りん)とした強い女性」をテーマに掲げ、「自分が目標とした演技がなかなかできなくて…この2~3年、何かに振り回されることが多かった。それは、振り回されてしまう自分の弱さがいけなかったのかなと、今シーズンいろいろ環境が変わる中で気付きました。臨んでいく中でいろんなことが起きても、丸く包み込めるような強い女性になれたら」と説明。フレッシュな選手も魅力だが、「わたしにしか出せない味を演技で出せていけたら」と笑顔で語っていた。
バンクーバー五輪で大健闘した小塚のテーマは「雰囲気重視」。「雰囲気?」と驚く松岡に、「ショート(プログラム)もフリー(プログラム)も全然違う雰囲気の曲なので、それに合った演技ができるように。今まではジャンプに頭が偏っていたけど、今シーズンからはなるべく雰囲気の方に頭を持っていけたら…。雰囲気とは表現力のことです」と補足。夢の舞台でかつてない緊張感の中、思い切ってできたことで自信が付き、さらなる目標ができたことを明かした。
五輪後、練習拠点の変更、結婚、第1子誕生という、公私共に大きな変化があった織田は「演技を楽しむ!」とテーマを。「カナダに練習拠点を移したんですけど、まずコーチ(リー・バーケル氏)に言われたのがこの言葉。ただ楽しく、というのではなく、しっかり練習をしないと楽しめない。環境すべてが新しくなったので、それをプラス、プラスに変えていけるよう頑張りたい」とキリッとした表情で語った。
続く安藤のテーマは「楽しく、挑戦」。「フリープログラムはジャンプ、特にアクセル、トーループをきちんと決めるという目標が新しい挑戦です。ショートプログラムは今までとはちょっと違う雰囲気のものを選曲したので、新しい自分を見せることに挑戦したい。オリンピックが終わったので、重い緊張感なく、スケートを始めたころの気持ちを思い出しながら楽しくスケートがしたい」と抱負を述べた。
男子選手の最後は、オリンピックでけがから奇跡の復活を遂げ、銅メダルを獲得した高橋が「今度こそはファイナル優勝」と明言。復帰直後に挑んだ前回のファイナルでは表彰台を逃し、「これまでファイナルではタイトルを取ってないんで欲しい」と語る高橋は、体の状態も良好なようで「(オリンピックが)半年遅ければよかったのになって思ってるくらいなんですけど(笑)。モチベーションは下がりもせず上がりもせず、いい状態です。自分自身どこまで仕上げていけるか楽しみ」と頼もしくコメント。
トリは9月25日で20歳になった浅田が「新しいスタート!」とテーマを発表。今シーズンより佐藤信夫コーチの下で新たな課題に挑んでいるが、「20代のスタート。10代より技術もすべて成長できるように頑張ります。今はまだ始まったばかりで、本当に踏ん張りどころ。練習では自分のものを取り戻してきてると感じているので、もう少し時間がたてば自分のものになるんじゃないかと」と、手応えを感じている様子。荒川氏は「ソチに向かうという目標がある中の1年目、スタートでもある。今シーズンだけでなく、4年後を踏まえて長い目で浅田選手を応援していきたい」と温かいまなざしと言葉を送っていた。
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