4年前に立ち上げ、今や年商1億円を超えるコンサル会社「イリエコネクション」の社長として多忙を極める中、年間150本もの講演会を行う入江慎也。そして、2017年に発表したエッセイ漫画「大家さんと僕」(新潮社)が、昨年の手塚治虫文化賞短編賞を受賞し、およそ75万部の売り上げを誇るベストセラー作家となった矢部太郎。“実業家”と“漫画家”という、各々が異なる分野で才能を発揮しているお笑いコンビ・カラテカが、このたび17年ぶりの単独ライブ「カラテカ メモリアルフェア『元友達』」を開催する。
高校の同級生として出会い、コンビを結成して22年。関係性が微妙に変わり続けてきたという二人だが、今回のライブでは、矢部が「ここでしか見られない」という新作漫画で入江との関係の変遷を描きながら、カラテカというコンビの歩みをひもといていく、まさに“メモリアル”な内容になるという。
そこでザテレビジョンでは、入江&矢部の2ショットインタビューを敢行。ライブに懸ける意気込みはもちろん、互いの相方に対する思いや“お笑い観”を聞いた。
他の芸人さんにはできないんじゃないかなっていうやり方が何となく見えてきた(矢部)
――カラテカとしての単独ライブは17年ぶりとなりますが、このタイミングでの開催に至った理由は?
入江「僕としては、2年前に“結成20周年記念ライブ”をやりたかったんです。でも、その時期、矢部が漫画を描いてて忙しかったんで」
矢部「実際、漫画で忙しいのもあったんですけど、僕は正直、その時点ではライブをやりたいという気持ちはあんまりなくて(笑)。というのも、胸を張って20周年とは言えないというか、どうしたらいいか分からないまま、気付いたら20年経ってた、という感じなので…」
入江「で、延び延びになってたんですけど、『そろそろやらない?』って僕から声を掛けて、ようやくできることになりました」
――矢部さんに何か心境の変化が?
矢部「いえ、特にないんですけど、分からないなりに22年間芸人を続けてこられたっていう、皆さんへの感謝の気持ちがまずあって。あと、普通のお笑いライブとは違う形かもしれないですけど、舞台上で僕たちを表現するとしたら、こういうものなんじゃないか、これは他の芸人さんにはできないんじゃないかなっていうやり方が何となく見えてきたので、それをやろうかなと」
――結果的にベストなタイミングですよね。今や二人とも、それぞれ副業で注目されている“時の人”じゃないですか。
入江「僕は別に注目されてないですけど(笑)」
――少なくとも、「大家さんと僕」の大ヒットというのは、今回のライブ開催の一つのきっかけになっているのでは?
矢部「それはあるかもしれないです。実は『大家さんと僕』で大家さんの話を描いたときに、入江くんの話も描きたくなって準備をしてたんです。でも、いろいろやることが増えて、進まなくなりまして。ただ、入江くんの話を漫画で描きたいという気持ちはずっとあって、そこでライブの話を聞いたときに、舞台の上で漫画を立体的に見せるっていうのはどうだろうって、思い付いたんです」
――入江さんのエピソードを描いた新作漫画を、一冊の本としてではなく、舞台の上で発表しよう、と。
矢部「はい、そうですね」
入江「今回のライブは、それプラス、今まで二人でやってきた漫才やコントのネタもやろうと思ってます」
矢部「僕らのネタって、形がどんどん変わってきていて。それがどういう経緯で変わっていったのかを辿るような寸劇も盛り込もうと思ってます。カラテカっていうコンビをいろんな角度から見せられたらいいなって」
――お話をお聞きする限り、ネタとネタの間に漫画をスクリーンで映し出す、という構成になるのかなと…。
入江「そうです、そうです。そうやって全体が、最初から最後まで一つのテーマでつながってるみたいなイメージで」
矢部「漫画は、僕らが出会った時代からだんだん今に近づいていきます。手塚治虫先生の『火の鳥』形式っていうんですかね(笑)。黎明編から始まって、未来編へ続いていく、みたいな…」
入江 「僕、『火の鳥』読んだことないから分かんないんですけどね」
矢部「早く読んでよ~(笑)。で、ネタの方は逆に、現在から過去に遡っていくっていう形を考えてます」
2月9日(土) 18:00開演
2月10日(日) 13:00開演
会場:CBGKシブゲキ!!
(東京都渋谷区道玄坂2-29-5 ザ・プライム 6F)
料金:前売2000円 / 当日2500円
問合せ:チケットよしもと 0570-550-100(10:00~19:00)
取材・文=佐藤ろまん