――「全日本歌謡選手権」のドラマ化についてどう思われますか?
1970年代というと、もう約半世紀前になります。まさかドラマ化されるとは夢にも思っていなかったので、この企画があがってすごくうれしかったですね。全日本歌謡選手権がなかったら、今の「五木ひろし」はない。大きなチャンスをつかみ取るため、自ら大勝負に出た当時が懐かしいですね。
――審査員を演じてみてどうでしたか?
当時の審査員の先生方からは、厳しい批評や温かい批評とさまざまありましたが、それを思い出しながら演じました。自分はどの審査員の方の雰囲気でやろうかと考え、サングラスをかけて厳しそうな審査員を演じさせていただきました(笑)。
――「全日本歌謡選手権」の思い出はありますか?
とにかくガチンコ勝負の番組で、10週歌う曲を選ぶ余裕なんてないですから、毎回1週目の曲だけを決めて挑んでいました。勝ち上がった後、スタッフの方から「次は何を歌いますか?」と聞かれ、「すみません、あと1、2日待ってください」って必死に考え抜いて曲を選んでいました。
審査員の先生方はもちろん、周りにいるバンドの人たちや裏方の人たちまで全部怖い人に見えました。毎回、会場のお客さまの声援と拍手に勇気づけられて頑張れました。10週勝ち抜いた時は、その後3日間寝込みました。精も根も尽き果てて、本当に起き上がれなかったです(笑)。
――ドラマの見どころを教えてください。
「約束のステージ」は歌を通しての人間ドラマです。そんな人間模様を、翼とつばさの二人を通して見ていただけたらと思います。
――審査員を演じてみてどうでしたか?
正直言って、当時は「全日本歌謡選手権」が恐ろしかったです。今回ドラマで舞台上のターンテーブルが回っているのを見て、あれに乗っていたんだと思うと、若さゆえの大胆な挑戦でした。今だったら怖くて乗れません(笑)。
でも、当時は売れなきゃいけないと必死で、全てをかけて出場していました。会場中が「合格をさせてあげて」という熱い拍手を送ってくださった当時を思い出しました。
――「全日本歌謡選手権」の思い出はありますか?
物まねと言われては駄目だと思い、5週目まで男性の曲を歌っていました。10週間ずっと淡谷のり子先生に「嫌い」と言われ続けていました(笑)。
ですが、今回ドラマで演じてみて厳しいことを言っていても、それが審査員の立場から応援してくれていたのかなと思えました。当時の審査員の先生たちの気持ちが少しだけ理解できて、出演できてよかったです。
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