有村架純「今までに見たことのない神木(隆之介)君が見られると思います」
百田尚樹の小説を原作とした映画「フォルトゥナの瞳」で、神木隆之介と有村架純が共演。ドラマ「11人もいる!」(2011年テレビ朝日系)、映画「3月のライオン」(2017年)など、これまで何度も現場を共にしてきただけに信頼関係は抜群。そんな二人に映画の見どころや現場の裏話、そして信頼し合っているからこそ見えてきた互いの印象について聞いた。
――神木さんが演じられた木山慎一郎は、幼いころに飛行機事故で家族を亡くし、それ以来、友人も恋人も作らず、仕事のみに生きてきた男性です。そんな彼が「死を目前にした人間が透けて見える能力」=フォルトゥナの瞳を持っていることに気付くところから物語が始まりますが、脚本を読んでの感想は?
神木「慎一郎がフォルトゥナの瞳を持っているということで、確かにSF的な要素があるのですが、僕が最初に脚本を読んだときには、純粋にラブストーリーだと思いました。
ただ、慎一郎を演じる上では、彼は家族を飛行機事故で亡くしていて、自分だけなぜ生き残ったのかを自問自答しながら生きてきたのだろうなと。その忍耐強さはすごいと思いましたし、彼が自動車の整備工場で車についた小さな傷を黙々と消しているのは、慎一郎の人生にも重なるのかなと思いました」
――有村さんはそんな慎一郎と出会い、恋に落ちる葵という女性を演じられました。葵が社会を遮断して生きていた慎一郎の心を動かした理由はどこにあると思いますか?
有村「多分、葵は男性から見たら理想の女性像なんだと思います。服装もそうですし、人への対応もそうですけど、自分の身近にこういう女性がいてくれたらなと思うのかなと。なので、できるだけ笑顔で演じようと思い、それに徹していたところはありますね。
それに葵は何があろうとも前向きでポジティブに生きようとしている女性だと思ったので、そういう意味でも笑顔というのは大きなアプローチポイントだったと思います」
――お二人が本格的に共演されたのは、ドラマ「11人もいる!」からですよね?
神木「その前に『SPEC』シリーズ(2010年ほかTBS系)もあるのですが、そのときはすれ違ったぐらいで。なので、打ち上げで初めてお話したぐらいでした」
有村「撮影でも同じシーンはありましたよ(笑)」
神木「でも、本格的にご一緒させていただいたのは『11人もいる!』で、そのときは僕が兄で、架純さんが妹でした。その後の『3月のライオン』では、僕が弟で、架純さんが血の繋がらない姉という設定で」
有村「神木君のことは17、18歳のころから知っていて、これまで家族という役柄がずっと続いていたんですけど、ここにきて恋人役という(笑)」
2月15日(金)公開
監督=三木孝浩/出演=神木隆之介、有村架純、志尊淳、DAIGO、松井愛莉、北村有起哉、斉藤由貴、時任三郎ほか
かみき・りゅうのすけ=1993年5月19日生まれ、埼玉県出身。放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」(NHK総合ほか)に出演。また、2019年は映画「Last Letter」、「屍人荘の殺人」の公開を控えている
ありむら・かすみ=1993年2月13日生まれ、B型。兵庫県出身。映画「かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発」、「コーヒーが冷めないうちに」(共に2018年)のほか、ドラマ「中学聖日記」(2018年TBS系)など主演作多数