――福田さんはよく“現場で一番笑っている人”と言われますが、今回は?
めちゃめちゃ笑ってましたよ。笑わないときは全然笑わないのですが、今回はすごく楽しそうにしていた印象があります。
――「福田組のパワーを感じた」という声も寄せられていましたが、賀来さんが感じる福田組のすごさは?
やっぱり自由度はすごく高いなと感じていて。福田さんの現場は、最初に「はい、じゃあ、あなたたちのプランを見せてください」というところから始まるんです。だから、自分でちゃんと考えて行かないといけないし、みんな、福田さんがよく笑うことを知っているから福田さんを笑わせたいわけです。だから、今回も段取りの段階からみんなフルスロットルで来るというか。そこは、「おれが一番面白いんだ」「カッコいいんだ」というのを提示する場なんですよね。
だからこそ毎回馴れ合いなく鮮度のある緊張感でやれていたと思います。福田組のプロフェッショナルの人たちに、僕たちが勢いで乗っかるという現場だったんですけど、今回はそれがマッチしたのだと思います。どこか「一山当ててやろうぜ!」みたいな気持ちがあって、エンジンがかかっていたんですよね。それもあって毎日いいものが撮れているという手応えがありましたし、毎日、撮影終わりにはみんなでご飯に行ったりして…。
――部活みたいですね。
そうですね(笑)。福田さん的にも若い役者たちの勢いと、いいマッチングになったのではないかと思います。
――相棒の伊藤真司を演じた、伊藤健太郎さんとは初共演でした。
はい。でも、最初から不安を感じないぐらい安定感があるというか、どっしりしているんです。度胸があるんですよね、とにかく。もちろん技術的なものもあるし、若さと勢いもあるから、自然と僕が彼に引っ張られることが多くて。伊藤という役は、健太郎にしかできないものだったと思いますし、いい相棒として僕は頼りにしていました。
その一方、気付いたら犬のように懐いてきて。人たらしなんですよ、とにかく。すぐかわいくなっちゃって、奢り過ぎました(笑)。伊藤は彼じゃなくちゃダメな役だったし、「こいつ売れるんだろうな…」って思いながら見てました。
――印象に残っているシーン、好きなシーンを挙げるとしたら?
難しいですね。でも、第9話で開久高校に乗り込むシーン。僕、ほとんど出てないんですけど、あそこはすごかったですね。撮影を見てなくて、オンエアで見たんですけど、今井(太賀)、谷川(矢本悠馬)もいて、理子ぴんたちも入ってきて、あの熱量と勢いは映画はともかくテレビドラマではなかなか見たことがないなと。あと、第7話で今井を監禁するシーンも好きでした。僕と太賀の2人芝居で、絵変わりもなくて場を持たせるという、ドラマとしては挑戦的なことができたのではないかと思っています。視聴者の方々がよくついてきてくれたなと思いました(笑)。
――今作を経験して、賀来さんが得られたものは?
まさか自分がテレビドラマで主演をやれるとは思わなかったですし、この年で高校生の役をやれたことも全てが一切想像していないことだったので、最初は結構ビビり倒していたというか(笑)。でも、最初に脚本を読んだ時に、「こんなに面白い脚本でダメだったら、もう役者辞めよう」くらいの気合で挑み、同時に面白いという自信もありました。やれることを全部出した作品なので、手から離れちゃって今はちょっと寂しいです。何を得られたかは分からないですが、今後も俳優をやっていっていいんだという自信になりましたし、今はまたみんなと仕事したいというポジティブな思いも生まれてきました。
――次に福田さんの作品に出演するなら、どんな作品がいいですか?
うーん、ラブストーリーとか面白いんじゃないかなと思っています。福田さんらしいコメディー要素はありながらも、純粋なラブストーリー。でも、「今日から俺は!!」で一人一人のスピンオフも全然作れると思うんですよね。今井のスピンオフとか僕も見たいし(笑)。今作は見てくださった皆さんが盛り上げてくださったドラマだったので、恩返しできるなら、また「今日から俺は!!」のチームで、みなさんに会えたらうれしいなって思います。それが続編かどうかは、日テレさん次第だと思います(笑)。
取材・文=及川静
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)