助演女優賞は吉田羊「俳優として、ここでもう一度チャレンジをさせていただいた役でした」【ドラマアカデミー賞】
2018年の冬クールに放送されたドラマを対象に開催した「週刊ザテレビジョン第99回ドラマアカデミー賞の受賞作が発表された。「中学聖日記」(TBS系)の原口律を演じた吉田羊が助演女優賞を受賞。バリキャリで帰国子女、マクロビアンでバイセクシャル、はっきりものをいうドSな女性だが、一方で“愛の人”“名言メーカー”とも言われ「吉田羊の十八番である、きついオンナの中に優しさが混ざって最高!」「できる女上司役やらせたら、ピカイチ」「声のトーンや喋り方もいいし、中山咲月とのシーンは新境地」「かっこ良かったです。いつもかっこいい吉田さんとまた違った雰囲気でした」と絶賛の声が。
そんな吉田に、原口を演じる上での軸となったこと、また末永聖演じる有村架純への思いなど話を聞いた。
――最初にこの原口さんを演じる際、吉田さんにとってキーワードになった言葉や軸になったものは何だったのでしょうか?
「原作を読んだときの自分のインスピレーションです。バリキャリで帰国子女、マクロビアンでバイセクシャル、そして処女(漫画の途中で明らかになるんですけど、それが本当かは分からない)、原作にはこれだけたくさんの設定がありました。正攻法で行けば、社内で声高らかに檄を飛ばし、退社後は部下を飲みに誘って合理的に悩みを解決する頼れる上司像といったところ。しかし、私が引っ掛かったのは『バイセクシャル』と『マクロビアン』という二つで、『この人は何かが違っていてそれこそが彼女の魅力』という気がしました。ですから、模範解答的な上司像ではなく、少し風変わりな、ミステリアスな人物に作りました。漫画では原口さんは多くを語りませんから、ミステリアスさはその寡黙さで表現し、風変わりは、あえて面白いことをやるのではなく、声を低くフラットに喋ることで、真面目にやればやるほど面白いという部分を狙いました。原口さんは正論や本音を言う役割でしたが、真っすぐな喋り方のお蔭で言葉がより真っすぐに皆さまに届いた、というラッキーもあったかもしれません。漫画は読んだ皆さんそれぞれのイメージがあるのですごく難しいのですが、自分がイメージした原口さんが皆さんの正解になったらいいな、こういう原口さんもいいなと思ってもらえたらと願いながら演じさせていただきました」
――原口さんがバイセクシャルなこともあり、放送序盤では、聖のことを狙っているのでは?という声もありました。
「聖ちゃんを狙っていたように見えたのは、あえてのミスリードです(笑)。前半に関しては見る方に戸惑ってほしくてあえて気があるように演じました。でも、私の役作りとしてはすでに勝太郎さんに気持ちがあったので、見ている方が想像してくださったんですね」