助演女優賞は吉田羊「俳優として、ここでもう一度チャレンジをさせていただいた役でした」【ドラマアカデミー賞】
クールな“チビ律”になっていると思います
――そして、川合との子供を妊娠する原口さんですが、2人の結婚生活や子供の性別を妄想する読者もいらっしゃいます。ずばり性別はどちらでしょう。
「川合との子供の性別は女の子で、おそらく性格も含めて原口さんそっくりな女の子だと思います。声は低くて、ほとんど泣かなくて『お父さんうるさい』とか言っちゃう。川合はシンガポールで暮らしているのでたまに帰ってきて、「ただいま~。●●ちゃん」と両手を広げても『あ、来てたんだ』って言うクールな“チビ律”になっていると思います。夫婦になっても2人の関係は変わらないんじゃないですか? でも川合のいいところはめげないところなので、原口に袖にされても向かってくる平和な家庭だと思います(笑)」
――笑。平和そうです。話が少し逸れてしまったのですが、原口さんに関しては、数々の名言を残しており“名言メーカー”とも呼ばれネットニュースでも話題となっていました。吉田さん自身が印象に残っている原口さんのセリフはありますか?
「『恋愛は幸福を殺し、幸福は恋愛を殺す』(第1話)。私はこのセリフを読んで、あぁ、確かにと思ったんですけど、オンエアを見た私の姉が『そんなことはない』と。なぜなら姉は、初めてお付き合いをした方と長年付き合って結婚したんです。結婚してからも久しいですけど、大好きで結婚して、結婚してからも大好きなので、『恋愛と幸福は成立する』と、姉は言い切ったんです。そのエピソードも含めて印象に残っていますね」
――すごく素敵なお話です。昌を演じた岡田さんに関してもお聞きしたいのですが、本作でデビューした岡田さん。第1話から最終回までを見て吉田さんはどのように感じましたか?
「お芝居で絡んだのは2話分だったのかな。でも1話から彼のお芝居を見てきて、最終話で彼と対峙したときにこの3カ月で、あっという間にいい男になられたなと思いました。お芝居の純粋さを残しつつ、深みが増していたし。彼自身が持っているピュアさも変わらず一生懸命で。この3カ月でたくさんの人に出会い、吸収してすごくいい経験をしたんだなぁと思いました。初日の読み合わせで、『大変なことになるな、これから』と思った俳優さんですから。結果そうなりましたし、9月まで日本で誰一人知らなかったのに、放送が始まるとファンレターをもらったり、夢があるなぁと思いましたね(笑)」
――確かにありますね(笑)。では、最後に吉田さんにとってこの作品はどのような存在ですか?
「俳優として、ここでもう一度チャレンジをさせていただいた役でした。キャリアの役はこれまでもたくさんいただいてきたからこそ、どの役とも違って見えたいと思って役作りをしたので、結果こうして目に見える形で賞をいただいて結実させられたというのは、大きな意味があることだと思います。チャレンジして良かったなと思わせてくれる役でした。これからも同じ引き出しを開けるのではなく、もっともっと引き出しを作れるんじゃないかと思わせてくれました。選んで頂いた皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました」