記憶から消し去りたいこと?「ありますよ」
――本作で“ここを乗り越えた”という挑戦がありましたら教えてください。
記憶喪失の役というのもそうなのですが、ミステリーをどっぷりやらせてもらうのが今までほとんどなかったんじゃないかな。
単発で「東野圭吾ミステリーズ」(第8話/2012年、フジテレビ系)や「世にも奇妙な物語」(2011年の秋の特別編と2018年の春の特別編/フジテレビ系)はあるかもしれないけど、回を重ねていくうちに得体のしれないものが正体を現していく…という作品を長くやることがなかったものですから、そういった挑戦はあったのかもしれません。
――三浦さんご自身が記憶から消し去りたいことはありますか?
ありますよ(笑)。もちろん忘れてはいけないんですけど、長ぜりふが言えなかったことがあって、そのシーンを別の日に回したことがあったんですよ。それは申し訳ない気持ちが大きいですね。無くしちゃいけないけど忘れたい思い出ではあります。
――劇中にはお酒がいろいろと登場しますが、お気に入りのカクテルはありましたか?
好評だったのは、アレキサンダーっていうすごくミルキーな味わいのカクテルです。ちょっとナツメグを落としてフレーバーも楽しめるものになっているんですけど、それは作るのも楽しかったですね。
うまくできると、すごく優越感に浸れるんです。みんなは僕が作るアレキサンダーも「おいしい」って言ってくれますけど、やっぱり水澤さんが作るものとは、味の柔らかさが全然違います。「作り手だけでこんなに変わるんだ」って思いました。