劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が脚本と演出を務める舞台「山犬」が、2月27日(水)から東京・サンシャイン劇場、3月6日(水)から大阪・ABCホールで上演される。
2006年に初演が行われた同作は、少人数のキャストで人間の極限状態と純愛を描いた監禁劇で、今回は初演時とはキャストの男女を逆転させ、AKB48の岩立沙穂、太田奈緒、谷口めぐ、山本光二郎(コンドルズ)、オレノグラフィティ(劇団鹿殺し)、丸尾の6人が出演する。
今回は、岩立、太田、谷口の3人にインタビュー。演じる役柄やそれぞれの“過去”にまつわるエピソードなどを聞いた。
人の内面を強く描いた作品に挑戦
――初めに、台本を読んだ感想を教えてもらえますか?
太田:自分の役は内気なんですけど、最後にはガラッと変わる女の子なので、それが自分にできるのか不安になりました。あと、人の化けの皮がはがれていくというか、内面を強く描いた舞台に出るのは初めてなので、すごく楽しみにもなりました。
谷口:6人しか出演者がいないから、1人1人のせりふの量が多くて、覚えられるかなって。演出の丸尾さんが、私の役は最初は強がりな女の子なんだけど、本当は純粋な気持ちを持った女の子なんだって言っていたので、舞台を見てくださるお客さんには、そんなピュアなところも感じていただけたらいいなって思います。
岩立:私は少し異質な役なので、台本を読んでいると「これはどう表現したらいいんだろう?」って感情とか、行動とか、せりふとか、分からないことがたくさん出てきました。これから丸尾さんといろいろ話しながら進めていく中で、答えを見つけていきたいなって思います。
――それぞれが演じられる役柄と皆さん自身、性格とかは近いと思いますか?
太田:私は、内気なところはあんまり似ていないと思うんですけど、ちょっとした積み重ねを根に持って、監禁された状態になったときに逆襲のようなことをするって場面があったりして、そういうちょっとしたことを気にしちゃうところは似ているかなって思いました。
谷口:私は自分と照らし合わせると、強がりではないんですけど、あんまり弱音や本心を人の前で言わないかもしれないなって思います。だんだん本当の自分を知られていくのが怖いというか。あと、この役は強気な性格の女の子なんですけど、私はどちらかというと穏やかな方かなって思っているので、そういうところは違うなって感じます。
――ちなみに、太田さんと岩立さんには本心を見せられていますか?
谷口:全然見せてると思います。(2人に)ですよね?
岩立:逆に「あまり見せられないんです」って言ってたから、あまり見せてもらってないのかな?って(笑)。
太田:すぐくっ付いてくる(笑)。
谷口:(2人は)甘えられる人なので居心地がいいです。自分からくっ付きにいける人たちは自分の中で甘えられる存在というか、素でいられる存在なのかなって思うので。
――では、岩立さんの演じられる役は性格的にはどんな役柄なのでしょうか?
岩立:すごくひねくれてる感じはするんですけど、ある意味では純粋なのかなって思います。自分の信念を持っていて、不器用な面もあったりするんですけど、それが一貫している人間だなって。自分のことをもう1回みんなに思い出させる役なので、その気持ちの強さは、自分にはそこまでできないだろうなって思う部分でもあります。