菅田将暉主演の「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)で、教卓の目の前の席に座る真面目な高校生・立野寛人を演じる森山瑛にインタビュー。本作がドラマ初出演となる現役高校生の森山が、初めての芝居に対する思いや未来像を語る。
――立野寛人の役どころを教えてください。どんな点を意識して演じていますか?
「立野はすごく真面目で、何か目標を立てたらそれに向かって突き進む性格です。でも、気が弱いから周りに流されちゃったり、自分の意見がはっきり言えないところがあるんです。僕自身はというと、真っすぐ突き進むという点では同じなんですけど、真面目かと言われたらそうでもなく(笑)。自分の意見もガツガツ言うし、『3年A組』の生徒だったら(若林)時英くんが演じる兵頭みたいなタイプが近いんですよね。だけど立野はそうではないから、ひっそりとおどおどしながら過ごすことを意識していました」
――これまでの撮影で印象的だったシーンはどこですか?
「1話のトイレのシーンです。生徒3人でトイレに駆け込んで先生からペナルティーを受ける場面は、初めての演技だったので、もうとにかくセリフを間違えないようにとか、口調が早くなりすぎないようにとか、皆さんの足を引っ張りたくないという思いが一番大きかったので、前日からずっと練習してました。でも、実際にセットの中に入ると緊張感が高ま
っちゃって、自分のやりたい演技が思うようにできないんですよ。気持ちが先走って噛んでしまったりとか、迷惑をおかけしました。最近はそのときのことを活力にして頑張ってます」
――菅田さん演じる柊一颯の鬼気迫る“授業”を間近で受けている生徒としては、どう感じていますか?
「立野の席は教卓の目の前なのもあって、他の誰よりも前で拳銃を突きつけられたりするので、菅田さんの役者としての心構えのようなものがドーン!と伝わってくるんです。ほんとに緊張感がすごいです。その迫力はもちろんテレビで見ていても十分伝わってくるんですけど、自分が普段、撮影現場で体感している迫力はほんとにすごいです。6話での福原(遥)さんとのシーンでは(※編集部注)、菅田さんが壁をバーン!とやった瞬間に空気がガラッと変わって。撮影後の控え室の空気もそれで変わってしまうぐらい影響力がありました」
※注=一颯が生徒の水越涼音(福原)を壁に押し付け、大声で怒鳴るシーン
――そんな菅田さんから学んだことはありますか?
「もう常にずっとです。銃を持つ指先の一本一本まで綺麗に整ってるし、動きも台本に全然書いてないのに、あんなにスムーズに動けるんだと。自分の想像しているはるか上を超えてこられるので、自分も菅田さんのような演技力を身に付けたいという気持ちになります。すごく大きな経験値をもらえて、うれしい現場です」
――控え室では皆さんどう過ごしていますか?
「台本を読んでじっくり考え込む人もいたり、セット内に入ったら空気がガラッと変わるので控え室に戻ったら息を抜く人もいたりします。みんな仲いいですよ」
――森山さんはどう過ごすことが多いですか?
「自分のせりふがあるときとか、台本を読んで分からないところがあったシーンを撮影するときは、台本を読んで考えてます。先輩に相談することもあります。よく話を聞くのは、飛田光里くんとか若林時英くんです。楽しいシーンだったら結構他の人たちと話していて、そのにぎやかになった雰囲気をそのままセットに持っていけたら完璧だなって考えながら自分なりにやってます」
――そこには菅田さんも混ざっているんですか?
「最初の何話かは、生徒たちが監禁されて、先生が完全に悪者になってたので、そういう空気を作るために菅田さんが自ら生徒役の人たちと話さないようにしたりとかしてたんですけど、途中からは先生と生徒の関係が近くなったので、控え室でも話すようになりましたね。『何人兄弟なの?』とか『最近学校行けてるの?』とか、ほんとに普通の話を普通にしてくれるのでとても話しやすいです」
――撮影も佳境ですが、今の心境を教えてください。
「他の現場にまだ入ったことがないので分からないんですけど、初めての現場が、すごく緊張感があって周りの方々全員が高いレベルで、みんなが一つのものに向かってあの緊張感の中でずっと撮影を続けるという経験は、なかなかできないんじゃないかなと思います。ドラマのテーマも高校生の自分に合う内容ですし、これから生きていくうえでこの話をどう役に立てていこう…ということも考えます。人と話すときも、この言葉は合ってるのかな?相手を傷つけてないかな?というのは、この現場に入ってからすごく考えるようになりましたね。それはみんなの心にも響いてほしいです」
――では、森山さんが俳優を始めたきっかけを教えてください。
「小さいころ、仮面ライダーが大好きで、小学2年生ぐらいまでは仮面ライダーになることが夢だったんです。その後はあきらめてたんですけど、中学3年生のときにスカウトされて、もし俳優になったら、一度あきらめかけた仮面ライダーという夢がかなうんじゃないかなと思ったんです。あと、弟がいるんですが、弟が『僕のお兄ちゃん、仮面ライダーなんだ』って自慢できるようなお兄ちゃんになりたいなというのがあって(笑)。それで芸能界に入ることを決めました」
――尊敬する俳優、目標にしている俳優はいますか?
「東出昌大さんと竹内涼真さんです。東出さんは『僕らの時代』(フジテレビ系)に出ていらっしゃったときに、他の方からスイッチの切り替えがうまいと言われていたんですね。本番前の空気とセットに入ってからの空気をすぐに切り替えられることは、俳優としてだけでなく、普通の生活の中でも大事なことだと思いまして、東出さんみたいな役者になれたらなと思います。竹内さんはファンです(笑)。仮面ライダーのころからずっと好きです。どんな役も違和感のない演技をされるのはすごいです」
――今後の目標を教えてください。
「やっぱり仮面ライダーはやりたいです。あとは朝ドラにも出たいです。今一番大きな目標はその2つです。そして、高校生のうちにもっと学生役をやりたいです。今の若さをアピールできる場は学生ものかなと思いますし、高校を卒業してからも若いうちは学生役をたくさんやっておきたいと思います。これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!」
●プロフィール
もりやま・あき=2002年6月12日生まれ、東京都出身。2017年、スカウトされ芸能界入り。「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(日本テレビ系)で俳優デビュー。2019年公開予定の映画「テイクオーバーゾーン」に、主人公のボーイフレンド・高須光星役で出演
取材・文=Rum
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