――前回お話をうかがった際、Fukaseさんはそれこそ「RAIN」の歌入れに3日間かかったとお話しされていましたが、今回それを上回るような難しい楽曲はありましたか?
Fukase:「RAIN」も大変だったことは覚えてますけど……「サザンカ」も本当に大変で。
Saori:「千夜一夜物語」(『Lip』収録)もね。
Fukase:あ、「千夜一夜物語」。一番大変なんですよ。
Saori:歌が大変なんだよね。
Fukase:この曲、歌ってるとすごく楽しいのに、楽しく歌うとイメージに合わなくなっちゃうんですよ。だから、すごく抑えて歌わなくちゃいけなくて。楽しんじゃいけないから、難しいんです。しかも、歌詞が長い上に、あまり同じフレーズを繰り返したりしないから、ずっと歌詞に寄り添わなきゃいけなかったので。正直、これはちょっと録りきれないかなっていうくらい、一番大変でしたね。
――今作ではNakajinさんも「ドッペルゲンガー」(『Eye』収録)と「Goodbye」(『Lip』収録)でメインボーカルを務められていますが、いかがでしたか?
Nakajin:僕はそんなにメインボーカルの経験があるわけじゃないから、やっぱり自信もないし、すごく不安で。Saoriちゃんにディレクションしてもらいながらだったんですけど、Saoriちゃんがいいよって言ってくれても、本当に大丈夫かな? これでいいのかな? 俺、もうちょっとできたらどうしよう……とか思ったりしながらの歌録りでした(苦笑)。
Fukase:もうちょっとできたらどうしようって、自分の可能性に対して?
Nakajin:うん。妥協なくやりたいなぁって気持ち。だから、Saoriちゃんすら疑うじゃないですけど(笑)。
Saori:でも、すでにぶっ続けで7時間とか、私もオーダーを出してるんですよ。それでも、まだ……って言って。
Nakajin:普段のFukaseくんの心労を身をもって感じました。歌録りが終わった後、スタジオから逃げましたもん(笑)。
Fukase:頭皮が疲れる感じがするよね。
Nakajin:ああ〜。疲れる。何か、喉を使うから喉が疲れるのかなと思いきや、そうではないんだよね。
Fukase:かなり精神的にハードだもんね。DJ LOVE:とはいえ、今回はSaoriさんの子供という強力な応援団長がいたから、レコーディングは割と円滑に進んだんだよね。
Saori:そうそう。みんな溺愛してくれていて。私の子供が来てる日は、Fukaseくんも歌録りを頑張れるっていう。
Fukase:僕も呼んでほしくて。
DJ LOVE:いないと、何で今日はいないんだ!ってね(笑)。
Saori:最近は1人でスタジオに行くと、必ず「今日は1人なの?」って言われるようになりました(笑)。
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