6月13日、東京国際フォーラムでのライブを最後に解散したSURFACEのボーカリスト・椎名慶治が、ソロ活動を開始。11月10日(水)にソロ第1弾となる7曲入りのミニアルバム『I(アイ)』をリリースする。「カミングアウトバラエティ!秘密のケンミンSHOW」(日本テレビ系)エンディングテーマ「取り調べマイセルフ」をはじめ、彼独特のユニークなタイトルや歌詞が満載。本作について、歌詞へのこだわりなどを椎名に聞いた。
――1人でのプロモーション活動になって寂しさはありますか?
「寂しさというより、違和感がありますね。今までは『SURFACEのお2人です!』『ボーカルの椎名です』って言ってたのが『椎名慶治さんです』って紹介されて『あ、どうも…』って言うしかなくて(笑)」
――ソロ第1弾アルバムは全曲違うギタリストですが、その理由は?
「(誰か特定の)この人とやりたいからSURFACEを解散したとファンの人に思われるのが嫌だったんです。いろんな状況の中でお互い話し合って決めたことなので。だったら全曲違うギタリストでは? と考えて、結果いろいろな人が集まってくれた。だから、スタートは永谷喬夫以外の人に固定するのが嫌だったということ。格好良く言えば、僕の隣でずっとギターを弾いていいのは永谷だけ、とも思いますしね」
――SURFACEの曲同様、椎名さんならではの言葉遣いが印象的ですね。
「ほかの人の曲でストレートな歌詞を聴くと『うそだ~!』って思っちゃうんです(笑)。会いたいや愛してるって気持ち、それだけじゃないだろ? って。そういうのをうまく表現できないかなって…遠回しな表現でも伝わりやすいように試行錯誤してます。自分の言葉で歌いたいなら、ほかの人が切り取る角度以外で書かないと僕じゃなくてよくなっちゃう。それは避けたいので」
――「このタイトルで作ろう」「この言葉を使おう」という発想で書くことは?
「いつもタイトルで悩んでて、いつも最後まで(仮)って付いてます。『取り調べマイセルフ』も、マネジャーにタイトルを聞かれて「迷ってるんです…」って答えたら、『面白いからそのままでいいんじゃない?』って言われて、『曲調ちょっと違うんですけど…じゃあ、(仮)取ってください』って(笑)。『愛のファイア!』は、恋愛のいざこざがテーマで、あーだこーだあっても最終的には愛のファイア! 頑張れよ! っていう内容なんですけど、『愛のファイア』って言葉さえダサく、でも格好良ければそれでいい。タイトル聞いて『え?』でも聴くとそこが印象に残るっていう」
――物語はどうやって作るんですか?
「その曲の音を聴きながら、たとえばイケメンだけど意気地なしの主人公と、キレイな女の人がいて…って思い付きで書いていきます。主人公は僕ではない誰かだけど、中には僕丸出しっていうのもありますよ。ラブソングではないですけど。今回では『ガブッ!』っていう曲は僕丸出しですね」
――ちょっと軽い、というかチャラいイメージの主人公がよく登場しますが、ご自身と共通する部分は?
「チャラい主人公が多いのは、僕がチャラく不まじめに見られたいから。余裕ないくせにすごく余裕があるように見られたいとか。ミュージシャンとしては、あの人軽いよね、モテるよねって言われたいし、そういうふうになりたいです(笑)」
――歌詞を書く上で気を付けていることは?
「僕の歌詞は、前向き全開! ではなく、少し前向き。苦しいけど頑張ってるよ~! って。聴いてくれる人の隣にいるような音楽になったらいいですね。注意しているのは、説教くさくならないことと、悲しくなる歌詞にしないこと。聴いた後の気持ちがフラットか、楽しかったなって思ってもらえたらOKですけど、テンション落ちたなってなったら僕の曲としてはアウト。『今これがやりたいから聴いてくれ!』ではなく、共感してほしい。そういう意味でも今回は『より多くの人に聴いてもらえるいい物を作ろう』をテーマに作ったので、どれもこれも本気でやって肩の力が入り過ぎちゃいました(笑)」
――最後にファンの人と、久々に椎名さんの音楽に触れる人に向けてメッセージをお願いします。
「SURFACEという名前は今後も言っていくし、曲も歌っていきます。個人の椎名慶治もいいけど、やっぱりSURFACEが好きっていうファンの人も安心できるような活動をしていきたいので、引き続き応援してほしいです。そして、SURFACE昔は聴いてたけど今は全然知らないっていう人でも、『久々に聴いたけど、もしかして好きかも』って感じてもらえる可能性もあるはずなので、その可能性は摘まないでほしいなって。たまたま見たこのサイトで椎名慶治を思い出してもらえたら、そして聴いてもらえたらうれしいです。よろしくお願いします!」
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