ニュースの視聴スタイルが変わる昨今、インターネットテレビ局である「AbemaTV」は、そんな“インターネットの利便性”と“テレビの速報性”を併せ持つ特性を生かし、ニュースチャンネルとしての取り組みに力を入れる。
開局以来のファーストチャンネル「AbemaNewsチャンネル」では、朝は「AbemaMorning」、昼は「けやきヒルズ」、夜は「AbemaPrime」と、それぞれの時間帯にニュースに特化したベルト番組を放送。中でも、看板ニュース番組「AbemaPrime」は視聴者のおよそ4人に1人が25歳以下。“オトナの事情をスルーする”をコンセプトに、若者や普段あまりテレビのニュースを見ない人たちに向けた尖った企画を取り上げ、“SNS世代”に向けたニュース媒体として存在感を増している。
また、「AbemaTV緊急チャンネル」を活用して2018年には累計680本を超える緊急ニュースを生放送するなど、速報性を重視した取り組みを重ねている。
被災地での情報共有の取り組みも進む。
2016年4月に熊本地震が発生した際には、被災地などテレビを見ることができない環境にいる視聴者に向け、スマートフォンから視聴可能な緊急地震特番を編成し、24時間体制で最新の地震情報を配信。2018年9月の北海道胆振東部地震発生時には、「AbemaNews緊急チャンネル」で給水所や避難所、スマートフォンが充電できる場所など被災者向けの情報を“文字放送”の形態で伝えた。
一定時間視聴しなければ全体像が掴めない映像動画に比べ、重要な情報を文字のみでまとめた“文字放送”は緊急時に大きな効果を発揮する。短時間で効率的に情報が得られる上に、その画面を携帯電話でスクリーンショットすればSNSなどでそのまま情報を拡散することも可能。実際、被災地ではSNSでの拡散など二次利用されるケースも多く見られた。
新聞の購読部数減やニュース番組の視聴率低迷を根拠に“若者のニュース離れ”が語られて久しい。しかし今回の調査で、媒体に変化はあれど実際には日常的にニュースに触れている若者は多いことが明らかになった。そしてその背景には、スマートフォンやインターネットといった新たな情報発信源の台頭がある。そうしたメディアを積極的に活用してニュースをキャッチしていく態度が、これからの情報化社会にはますます求められることになりそうだ。
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