――お二人は「バンブルビー」の吹き替えが初めての共演になるそうですね。
土屋太鳳:はい。でも、共通のお友達から志尊さんは真面目な方だと聞いていて…。実際お会いすると、本当に真面目で、繊細だけどフワっとしていて、知識も豊富。でもフザけている姿も何かいいなぁって思いました。
志尊淳:あ…本来フザけてる人間なんです、僕は(笑)。仕事はちゃんとしますけど。
土屋:そのくらいがちょうどいいと思います! お話も上手なので、取材のときに私はとても助かっています(笑)。
志尊:僕も知り合いから「いい子だよ」「こんなにいい子はいない」って聞いていて、そんなに口をそろえて言うなんて…と思っていたら、想像を超えるすてきな人でした(笑)。
忙しい中でもいろいろな方に一つ一つ反応してちゃんとコミュケーション取っていて、本当にすごいな、見習わなきゃなと思います。
――土屋さんが吹き替えされたチャーリーについて、お二人はどう思われましたか?
志尊:僕は「えっ、太鳳ちゃん!?」って思いました。アクションもできるし…。
土屋:えー! そんな…(照)。
志尊:アフレコをやる前に映像見せてもらったとき、雰囲気が土屋さんにそっくりで、土屋さんにしか見えなくて。凛とした雰囲気、真っすぐさ、はかなさ…。「ハイ、これ!」って感じでした。
土屋:ありがとうございます…! チャーリーは、弱さを知っているからこそ相手の傷に気付ける、大切なものにちゃんと愛情を注げる子なんです。お父さんの影響で機械いじりが好きで、「女の子だから」「女の子なのに」という女性特有の生きづらさと、大きな心の傷を抱えている。
でも…難しいんだけど、やっぱり守りたいものができて、誰かに愛情を注いでいれば、それに気付いて近寄ってくれる人がちゃんといるんだと感じました。
志尊:うん、チャーリーは外では強く振る舞っているけど、中だと繊細で優しいんですよ。他人の目を気にすると、普通は逆になるのに。だからこそかわいいし、りりしさの中にも守りたくなるところがある女の子だと思います。
――志尊さんが吹き替えされたメモについては?
土屋:チャーリーはすごくメモに救われたと思います。人と人が“紡ぐ”には時間が掛かりますが、「この人と紡げるかもしれない!」と思うのは意外と一瞬ですよね。チャーリーもそれをメモに感じたのかな?って。
志尊:チャーリーもメモも、人の目を気にして好かれるために何かをしたり、無理に繕って自分を飾ろうとしたりするタイプではないんです。そしてメモは奥手で、不器用で、頑張るけどうまくいかずに空回りする感じがすごくかわいらしい男の子。
チャーミングで愛されるけど、意志が固いところはすごく固いので、そこはしっかり演じたいなと思いましたし、メモのいいところは自分にも欲しいとすごく思いました。
土屋:最初は1人で吹き替えていたんですが、3日目くらいから志尊さんのメモの声が入ってきたとき、本当に「あ、メモだっ!」ってなりました(笑)。
もともとメモは「ぅん?」とかすごい不思議な声が出てくる役なんですけど、そういうコロコロ声色が変わる感じがすごくしっくり来て、「あ、やっと会えた…」と。あと、すごい戦いで傷を負ったときに「ママに電話して?」「よくあるやつさ」っていうせりふがツボでした(笑)。
志尊:アメリカン(ジョーク)ですよね…! 俳優のジョージ・レンデボーグ・Jrさんも笑いに振っているわけじゃなく、何か余韻を残している曖昧なお芝居をされているんですよ。だから監督に「どう表現したら…」ってすごい質問しちゃいました(笑)。
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