<試写室>「イノセンス 冤罪弁護士」坂口健太郎の熱き瞳に引き込まれる最終話

2019/03/23 09:00 配信

ドラマ

3月23日(土)に最終回を迎える「イノセンス 冤罪弁護士」(C)NTV

独断と偏見のレビュー


最後までしっかり“人の心”を感じるドラマでした。毎話、ただ犯人捜しをすることが目的ではなく、ひたすら人と向き合い真実を探し続ける拓の姿に胸を打たれてきましたが、最終話はまさにそれが凝縮されていました。詳しく言えなくてもどかしいですが、法廷シーンでの終盤の拓の言葉が刺さります。

さらに印象的だったのは、拓を演じる坂口さんの目。最終話では、拓の人生を変えるほど影響を与え、長年追い続けてきた事件の真犯人が現れる衝撃の展開なのですが、そこからの目が一変。

拓の情熱、悲しみ、悔しさ、憎しみ、葛藤…拓の複雑な心境がすべて表現されている気がします。目を潤ませながら、力強く相手を見つめるその瞳に引き込まれました。キュ、キュン!

そして! 最終話のゲストで、真犯人・神津役の武田真治さんのお芝居がすごいです! 最近、明るい“筋肉マン”の印象が強かったので(笑)、かなりギャップにやられますよ。

そして人格がゆがんでしまったこの神津という人物に、拓が言葉を投げ掛ける法廷シーン、早く皆さんに見ていただきたいです。スカッと、そして、ハッとさせられる、この数分を感じて欲しいです。いろいろ考えさせられます…。

拓の身代わりになって刺された楓、少し心の溝ができてしまった秋保、ずっと敵対している拓の父・真(草刈正雄)、保駿堂法律事務所のメンバー。それぞれと拓の関係も、もちろんこの最終話でしっかり描かれます。

人を大切に描いてきた本作の集大成、静かに、テレビの正面を陣取って受け止めたい物語です。

文=ゆ~