村人たちは毎日ひとり、人狼と思われる人を処刑しなければならない。
人狼は毎晩ひとり、村人を殺さなければならない。
勝ち残れば賞金1億円――。
アメリカ発祥のパーティ・ゲームを元に、謎の建物に拉致された高校生たちが、命懸けの殺戮ゲームを強いられる映画『人狼ゲーム』シリーズ。2013年に1作目が公開されてから、既に7作が公開。"狂人"、"キューピッド"など回を追うごとに増えていく(高校生たちに割り当てられる)役職、それに伴って複雑化するストーリー。ゲームをよく知らない人は、役職が少ない1、2作目でルールに慣れてからの鑑賞がオススメだ。
ゲーム・ファンも楽しめる練られたストーリー展開はもちろんだが、何より注目すべきはこれからの日本映画界を担っていくであろう、若手女優が主役に起用されている点。今やこの『人狼ゲーム』シリーズ、主役の女優は"人狼ガール"と呼ばれ、若手女優の登竜門的作品なのである。それもそのはず。本作は、殺すか、殺されるかという極限状態を演じなければならず、俳優としての力量が求められる。主役に抜擢された彼女たちが"人狼ガール"を演じ切れるかどうか。それはまさに、俳優生命を懸けた命懸けの戦いだ。
1作目『人狼ゲーム』('13)の桜庭ななみは、映画『最後の忠臣蔵』('10)で日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の賞を受賞。本作では、なんとかしてこの理不尽なゲームに参加するまいと抵抗する主人公、愛梨を熱演。一見か弱そうに見えるが、実は内にとてつもない芯の強さを持つ愛梨の姿は桜庭本人とリンクする。
2作目『人狼ゲーム ビーストサイド』('14)の土屋太鳳は、本作に主演した直後、NHKの連続テレビ小説『まれ』('15)のヒロインに抜擢され、若手の中でも一躍トップに。土屋演じるロック歌手を目指す由佳が劇中で熱唱している歌の歌詞は彼女自身が作詞したものだ。極限まで役に成り切るストイックさ、身体能力の高さなど、本作には他の作品にはない「剥き出し」の土屋太鳳が詰まっている。また、同作では、演じる役によってあまりに印象が違うため、その若さで"カメレオン女優"とも評される森川葵と土屋の演技バトルも見ものだ。
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