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バナナから生まれたわけではない! ミニオン、知ってたつもり?<ザテレビジョン シネマ部>

2019/03/29 12:10

 「怪盗グルーのミニオン大脱走」
「怪盗グルーのミニオン大脱走」(c)2017 Universal Studios. All Rights Reserved.


2010年代、映画ファンに最も人気を博したキャラクター...といったら異論があるかもしれませんが、こと"お馴染み度"ならダントツなのが、ミニオンたちではないでしょうか? 薬のカプセルみたいな黄色い身体にオーバーオール、溶接ゴーグルを身に着けてナゾ言語をしゃべる、あのヘンテコ可愛いヤツらです。

このミニオンたちは、3DCGアニメ映画を製作している、米イルミネーション・エンターテインメントの公式マスコット。親会社であるユニバーサル・スタジオの映画でも、上映前の短い映像などに登場しているため、一度は目にしたことがおありでしょう。そのせいか、近年では日本での人気もうなぎ上りで、2017年にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンに世界最大の「ミニオン・パーク」が設けられたほどです。

 「怪盗グルーのミニオン大脱走」
「怪盗グルーのミニオン大脱走」(c)2017 Universal Studios. All Rights Reserved.


そんなミニオンたちが登場する最新映画、『怪盗グルーのミニオン大脱走』('17)が、4月6日(土)にWOWOWで放送! そこで今回は、彼らの知られざる秘密を、いくつかご紹介しようと思います。いま「え、アイツらが出てる映画って『ミニオンズ』じゃないの?」と思ったそこのアナタ! 実はそれだけじゃないって聞いたら、驚かれます?

確かに2015年には、初の単独主演(?)映画『ミニオンズ』が大ヒットを飛ばしましたが、実はこの作品、彼らの人気を受けて作られたスピンオフなんです。じゃあ元ネタはと言いますと、2010年の『怪盗グルーの月泥棒 3D』。タイトルどおり、主役はグルーという自称・世界一の(でもホントは、中年を迎えてすっかり落ち目の)大怪盗で、ミニオンたちはその地下秘密基地で働く、文字どおりの「子分」(英語のminionは「手下」とか「召使い」という意味です)として、これでもかってほどウジャウジャ登場しています。ただし、身体は人間の幼児並みで、スゴい超能力があるわけでもなく、オツムに至ってはガッカリもいいとこ。有能な配下というよりも、仲間とふざけるのに夢中なガキんちょのようです。

実際、監督のピエール・コフィンによれば、映画には「男の子のミニオンしか出ていない」そうで、名前も「ケビン」や「ボブ」など、すべて男性のそれとなっています。つまり役どころとしては、にぎやかしの「モブキャラ」にすぎなかったワケですね。おかげで彼らがどういう生き物なのかもハッキリせず、劇中で質問されたグルーも実にテキトーな返答(日本語吹替版では「バナナから作った」、日本語字幕では「いとこ」)でお茶を濁していました。

そんな彼らの真実が明らかとなったのが、2作目の『怪盗グルーのミニオン危機一発』('13)を経て作られた、前述のスピンオフ『ミニオンズ』でした。なんとその起源は人類よりも古く、1億4500万年前には地球に生息していたそうです。つまり「バナナから作られた」ワケではぜんぜんなかったのですが、一方でバナナが大好物なのは確かなようで、目の前にしようものなら我を失うほど執着しています。

また、ミニオンズは「最強最悪のボスに仕えたい」という本能も持っており、人類誕生以前にはティラノサウルスに、のちには古代エジプトのファラオや中世ヨーロッパの吸血鬼にも仕えてきたんだとか。彼らがしゃべっている通称「ミニオン語」も、世界中の人間の言葉をごちゃ混ぜにしたもので、「乾杯!」なんかはそのまんま日本語ですから、きっと長い歴史の中で多くの人間たちに仕えてきたのでしょう(ついでに言うと、このミニオン語の台詞は、すべてコフィン監督本人が担当しています!)。

ただ、なにせやること成すことアレな連中なので、歴代の「ボス」はほとんどが、彼らのせいでヒドイ目に。結果、仕える相手を失って種族全体が意気消沈していた1960年代に、彼らがグルーと出会うまでが描かれているのです。

「怪盗グルーのミニオン大脱走」
「怪盗グルーのミニオン大脱走」 (c)2017 Universal Studios. All Rights Reserved.


以降、グルーとミニオンたちは信頼の絆で結ばれ、ともに悪党道(?)にまい進してきたのですが、なんとグルー、1作目、2作目での様々な出会いを経て、ついに悪党を廃業。『怪盗グルーのミニオン大脱走』では、堪忍袋の緒が切れたミニオンズがついに反旗を翻し、またまた大騒動が巻き起こります。すっかりやさぐれた彼らの可愛さはもちろん、シリーズものならではのドラマも見どころですので、できれば過去の3作品を予習してから、ご覧いただきたいところです。

文=岡島正晃(おかじま まさあき)


映画の話をすると「人の死なない作品も観るんですか?」と、よく驚かれる47歳児。好きなジャンルはファンタジー活劇。

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

【放送情報】
怪盗グルーのミニオン大脱走
WOWOWシネマ 4/6(土)よる8:00
WOWOWプライム 4/7(日)午後1:00
WOWOWプライム 4/10(水)よる8:15
WOWOWシネマ 4/14(日)よる7:15

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