MC3本！ 絶好調の南キャン山里亮太の現在地「自信の根本はラジオ」＜単独インタビュー＞
――自信の根本がラジオなんですね。
「ラジオがあってよかったなって思いますよ。肩を並べさせてもらうのは、おこがましいけど、『JUNK』にピンでいるって、むちゃくちゃ自分の芸人人生の自慢だもん。こんなありがたいことないし、それがあることで、いろんな局面で前を向かせてもらっているから、だから終わらせないにはどう努力すればいいんだろうって。死守していきたいです。10年目なので、何かできたらなって思っています」
――期待しています。テレビの新番組3本の内容についても伺いたいのですが、まず、「逆転人生」は人生を逆転させた人のドキュメンタリー番組ですね。
「逆転するっていう答えがわかっているんです。なのに、『プロジェクトX』(2000年～2005年、NHK総合)のチームが作る再現VTRがしっかりしすぎていて、見ている途中で絶望しちゃうんですよ(笑)。そこから逆転する、その爽快感がすごい。本人が泣いちゃうくらい没入感がある映像なので、これは末永く見ていただきたいですね」
――山里さんも、逆転人生を歩んでいるように思えますが？
「ありがとうございます。もともとはMCとかやらせてもらえる人間じゃなかったですからね。『気持ち悪い』って言われたり、女子から『石をめくったら虫がいた』みたいな目で見られた人間が、MCをやれるなんて大逆転ですよ。痩せて髪型もおかっぱから、少し前髪を遊ばせるようになったからかな(笑)」
――そうでしたか(笑)。続いて「メイドインジャパン」は、日本で暮らす外国人が“日本で一番素晴らしい”と思った日本製品を携えて、故郷に里帰りする様子に密着する番組です。やはり、登場する外国人と価値観の違いを感じることはありますか？
「山程ありますね。自分たちが普段使っているものが、当たり前にあるものじゃないってことに気づくんですよ。持ち帰る場所によっては『これは魔法のアイテムだ』って喜ばれるんですけど、それがただの炊飯ジャーだったり、ただの鍋だったりするんです。シャワー付きトイレもすごいですよ。祭りが起きるくらいみんな見に来たりして。
『“メイドインジャパンってすごいんだぞ”って言ってるのは日本人だけだよ』って言われる時代ですけど、もう一回、『日本、すげー』って思ってもらえる番組だと思います。海外の人からの言葉を聞いて、自分たちのいる国がいかにすごいかを確認して、『国をもっと元気にしていこうよ』っていう人たちを増やせるんじゃないかって思いますね」
――そして「ひねくれ3」は、ハライチ・岩井勇気さん、三四郎・小宮浩信さんとの3人で、近い将来、その業界をリードするであろう人物をゲストに招き、彼らの野望を“ひねくれ目線”で検証する番組ですね。
「みんな自分の役割を完全に理解して収録しているので、すごく楽しいです。岩井はよくも悪くも自分が強い。自分が納得したら納得した感じを出すし、噛み付きたいところは噛み付く。小宮は根が真面目だから、たまに無理して噛み付くところもあるけど(笑)。でもそれがすごく楽しくて、ゲストも『喋りやすかった』って言ってくれています。
ひねくれている僕らが、成功者に妬み嫉みでガンガン絡みついていくんですが、最後は『人生ってこういうことか』って勉強になるような感じですね。勉強する気がないのに、見ていたら勉強になる、いい意味で『ひねくれ3』っていう言葉を裏切れている番組だと思います」
――一方、執筆活動も精力的で、短編妄想小説集「あのコの夢を見たんです。」も上梓されました。実在の女優やアイドルをヒロインにしつつ、文体や構造的に凝った作品でもありますね。
「ありがとうございます。本が好きだからいろいろ読むんですけど、相手のことを調べると、好きな作家さんを書いていることがあるんですよ。そしたら、その作家さんのテイストを入れてみたり。セリフのかけあいは、自分の漫才スタイルを引用して、『この人面白い』って思われたいし、好かれたい。好かれるためにがんばっているところがあるから(笑)。しかも相手から返信がもらえるシステムですし、直接お礼を言われることもあるので、合法化されたストーカーですかね(笑)」
――そして8月15日(木)には、恒例のトークライブ「山里亮太の140」が、過去最大キャパの中野サンプラザで開催されますね。最後に、こちらの意気込みもお聞かせください。
「たった一人で2222人のお客さんを相手にするのは初なので、ここを越えたら、もうひとつ成長できるんじゃないかなっていう期待はしています。自分が死ぬとき、芸人史を振り返ったら、多分、太字に書いてある日になると思うので、ワクワクしていますし、それを見届けるお客さんが2222人も来てくれるんだろうかっていう緊張感がありますね」
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