賀来賢人、尊敬する吉田鋼太郎は「ダンディーでいい匂いがする」
とにかく、圧がすごい!
――「今日から俺は!!」の影響もあって、世間的に今は“賀来賢人=コメディー”という印象が強いと思いますが、今回は真逆の役どころですよね。シリアスな役だからこその難しさはありましたか?
やっぱり難しいですよ。というか、どんなキャラクターの役も全部つらいです(笑)。それくらい、役を作っていくのは大変なんですよ。台本を覚えて、自分と全然違う人物に息を吹き込むわけですから…。楽な役は一つもないです!
――榊はそういった役作りのつらさに加え、役の設定自体のつらさもあるわけですよね。
そうなんですよ。実は撮影で首を絞めた後、家に帰ったら、妻と子供が楽しそうにしていて…。癒やされると同時に、あまりに環境のギャップがすご過ぎて(笑)、変な気持ちになりました。そのくらい精神的なダメージが大きい役だったので、大変でした。
――芝居とはいえ、殺人を犯してしまった罪悪感も?
それはやっぱり、ありますよ。「でも、仕事だしな!」と思って(笑)。僕、この仕事には切り替えが大事だと思うんですよ。実際、僕が尊敬する先輩方は「直前までばか話をしていても、本番に臨めるのが真の俳優だ」という人が多いし、僕もその感覚がすごく好きです。
――今回、吉田鋼太郎さんとも「今日から俺は!!」や現在放送中のCMとは毛色の違う作品・役柄での再共演となりましたが、いかがでしたか?
場数にしても、経験値にしても、オーラにしても、鋼太郎さんはちょっとスケールが違う役者さんというか、自分にはない引き出しをたくさん持っていらっしゃる方です。
実は今回、鋼太郎さんとはあまりご一緒するシーンがなかったんですけど、最後に直接対決するシーンでの緊張感、鋼太郎さんと対峙(たいじ)したときの圧たるや…!
芝居のアプローチを含めて、あらためて本当にすごい方だなと思いましたね。とにかく、圧がすごい! 僕もその圧を受けることで、鋼太郎さんに引き出していただいた部分がたくさんあるし、すごくいい勉強になりました。
でも、鋼太郎さんも普段、控室で話しているときはものすごいフラットなんですよ! その切り替えもまたすごいなと思いました。