挑み続ける福士蒼汰は“イケメン俳優枠”でくくられる存在ではない<ザテレビジョン シネマ部コラム>
若手俳優の登竜門といえば、仮面ライダーor 戦隊ヒーローに朝ドラ。2011年に俳優デビューした福士蒼汰は、同年「仮面ライダーフォーゼ」でのリーゼント・ヘアの主人公役で強烈な印象を残し、NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』(‘13)でヒロインが恋する先輩役を演じて一躍全国区に。その後も映画『図書館戦争』シリーズ(‘13、‘15)や、『好きっていいなよ。』(‘14)&『ストロボ・エッジ』(‘15)といった少女漫画原作映画でヒロインの相手役を演じ、多くの女性ファンの心をつかんだ。‘15年には月9ドラマ「恋仲」に主演。名実ともにトップスターの仲間入りを果たした。
甘く爽やかなイケメンぶりがまず話題に上る福士だが、‘17年公開の映画『ちょっと今から仕事やめてくる』では、ブラック企業に勤める主人公の前に突如現れる、幼なじみを名乗る関西弁の陽気な男(実はワケあり)という難役を好演。『無限の住人』(‘17)では木村拓哉演じる主人公の敵役として殺陣にも挑み、新境地を開拓。さらに劇団☆新感線の「髑髏城の七人」(‘17~‘18上演)では初舞台で初主演するなど、近年、その攻めの姿勢は際立っている。6月にWOWOWで放送される3本の映画も、福士のチャレンジングな面が表れたものだ。
人気コミックを実写映画化した『曇天に笑う』(‘18)は、「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督と組んだアクション。明治初期を舞台に、破壊神“オロチ”の復活を封じようとする曇(くもう)三兄弟の長男、天火役を豪快に演じている。古川雄輝、桐山漣らイケメン俳優らを向こうに回しての暴れっぷりは痛快だ。