松たか子、大泉洋と“夫婦”役!“尻に敷く”妻に
中村芝翫コメント
今回お声をかけていただき、すごくありがたいです。
わたしは歌舞伎育ちなので、すでに原作者が他界している物語を演じてきました。でも今回は原作の池井戸先生に自分の演技を見ていただける。その点は非常に興味深いです。
池井戸作品は人間の鼓動、心のひだが感じられる等身大の人の心を描いていると思います。役者が寄りかかれる原作というのは魅力的で、言い訳が聞かないという部分では苦労しますが、頂上はひとつだけど登山口がたくさんある山のようです。
楽な道を選ぶか困難な道を選ぶかは自分ですが、演出の福澤さんに導いていただきます。
大泉さんとは、ずっと前に一度お目にかかったことがありますが、非常に多面的な役者さんだと思います。
お芝居やバラエティに出演されているのを拝見するにつけ、“音のいい役者さん”でいらっしゃると感じます。心地のよい響きのある役者さん。
今回がっちり組んでお芝居ができることで、わたしの中の新しい部分を引き出していただけると楽しみにしております。
わたしが演じる風間という男は創業者の孫で三代目社長。50歳を超えたこの風間という男が今も引きずっている親の七光りを一つ消し二つ消し、その中でも生きる人間としてのプロセスを描いていけたらいいなぁと。そういう人でも魅力があるというところを見せたい。
人間生きていれば山あり谷ありですから、わたしが生きてきた経験からそういうところを見せたいです。