実家の近所の本屋さんに「黒いマヨネーズ」が置いてなかったときは腹が立ちました
――漫才のネタは、相方の小杉竜一さんと二人で書かれているそうですが、同じ書く作業でも、やはりエッセイとは違うものなんでしょうか。
吉田敬:漫才のネタは、僕と小杉の間に大学ノートを置いて、本当に二人で一緒に書いてる感じなんで、エッセイとは全然違いますね。漫才を書いてるときは、小杉のアイデア1個でノってきて、どんどん面白くなっていくこともあるんですけど、エッセイは全部、自分発信ですからね。それだけに、毎月25日に向けてのストレスがキツかったわけで。
で、そのストレスがたまりにたまって、「もうやめたい、限界や」っていう頃にちょうど、本一冊になるくらいの量に達したんです。実は書籍化っていうのは連載してる頃から狙ってたんですよね。本にならないと割に合わへんと思ってたんで(笑)。
――毎回のテーマはどのように決めていたんでしょうか。
吉田:時事的なものを書くと、本になったときにどうしても古さが出てしまうから、流行りじゃないテーマで書くっていうのは意識してました。
一時期、エッセイのために考えてたことをしゃべりのネタに作り替えて、トークライブのツアーをやろうかなと思ったこともあるんですけど(笑)、ちょっと我慢できずに、エッセイにしちゃいましたね。
――読者の反響も大きいようですね。
吉田:実家の近所に、よく利用してるそこそこ大きい本屋さんがあるんですけど、その店に「黒いマヨネーズ」が置いてなかったときは腹立ちましたね。ここが吉田の地元やっていうのはその本屋さんも知ってると思うんですよ。そしたら、この店は一番に俺を愛さなアカンやろ、と(笑)。
あと、家族でショッピングモールに行ったときも、そこの本屋さんに「黒いマヨネーズ」が置いてなかったんですよ。だから、嫁に頼んで店員さんに聞いてもらったんです。そしたら、「『売り切れです』って言われた」と。「次の入荷はありますか?」って聞いたら、店員さんが「もちろんあります」って答えてくれたんですって。それを聞いて、めっちゃうれしかったんですけど、そのことを嫁がうれしそうに話してくれたのが、余計にうれしくて。一応、ちゃんと再入荷してるのか、というか、何冊入荷したのか、今度確認しに行こうと思ってるんですけどね(笑)。