<試写室>「夢食堂の料理人―」オリンピック選手村で奮闘する若者たちの物語
“悪人”が1人も登場しない
まず言いたいのは、このドラマを見て嫌な気持ちになる人は居ないということ。
悪人が1人も登場せず、ひたむきに料理に、仕事に、スポーツに向き合う人々の姿が生き生きと描かれている。
大人数を収容する選手村で水道のトラブルが発生する場面では、いろんな国の選手や職員が笑顔でバケツリレーをし、水道が復旧した後にはみんなでハグ祭り。登場人物たちの笑顔にこちらまでニコニコしてしまうようなシーンであった。
国境を越えた交流も見どころだが、メインとなるのは若き料理人の4人。
高良演じる坂田三郎、宮舘涼太演じる山田和雄、渋谷謙人演じる高木弘、小平大智演じる杉浦徹だ。
先ほども書いたようにほっこりしてしまうような国を越えた交流が多く描かれているが、料理人たちも日本全国から集まってきている。
三郎は秋田、高木は鹿児島、杉浦は高知と互いに強めの方言で話す様子は、まるで外国語が飛び交っているかのよう。
影のある役を演じるイメージが強い高良だが、今回は地方から出てきた心優しい素朴な青年役。
秋田弁もキュートで、ひたむきに料理に取り組む姿は純粋に応援したくなる。
そしてそんな4人の中で異彩を放つのは帝国ホテルから派遣されたエリート料理人・山田。
登場から胸に手を当て、“ロイヤル”にあいさつをする山田は、フランス語も堪能で、絵に描いたようなエリート。宮舘にぴったりの役どころだ。
しかしそんな山田にも秘密があり…。あまりのギャップに記者も視聴していて「え!?」と思わず声が出てしまったほど。
宮舘のかわいらしい演技に、ファンの方はもちろん、初めて見る人も魅了されてしまうだろう。