あなたの知らない多頭ザメの世界!〜ヘッド・ジョーズが常識に食らいつく<ザテレビジョンシネマ部コラム>
『ダブルヘッド・ジョーズ』(2012)
水上スキーを操る美女2人が同時に襲われる、これしかない!と思わせるオープニング。サメ映画特有のジワリと迫りつつ襲い掛かってくる中盤。執拗に小屋の中まで追い掛けてきてスリリングな展開を見せる終盤。……と、意外にもサメの姿以外の中身は正統派のモンスターパニック路線の作品です。メイン・キャストは、ブルック・ホーガン。
プロレスラー、ハルク・ホーガンの娘さんです。
『トリプルヘッド・ジョーズ』(2015)
“進化”というよりは“増加”がしっくりくる、頭を1つ増やした第2弾。海洋研究所を舞台に環境問題なども盛り込んだ意欲作です。
当然、ビーチで3人そろえば危険なサイン。期待に応える展開がお待ちしています。キャストには、強面俳優の代表格ダニー・トレホもクレジット。山刀を片手にサメに立ち向かう姿は思わずニヤリなポイントです。監督は前作から引き続きクリストファー・レイ。本シリーズ以外にも『メガ・シャークvs~』シリーズ(2009~2015)や『シャーク・ウィーク』(2012)など、何かとサメ映画に縁の深い人物です。
『ファイブヘッド・ジョーズ』(2017)
“フォースヘッド・ジョーズ”というタイトルの作品は作られませんでしたが、本作の冒頭はサメの頭は4つでスタート。途中で進化して見事5つ頭のサメの誕生となりますが、注目はその5つ目の頭が出てくる場所です。安易に横並びにしなかった形状に私は拍手を送りたい。
映画ならではの“ありえない楽しさ”を見せつけてくれるスタイルがすばらしいのです。今後このシリーズが続いていけば「今度はどんな姿?」という、サメ映画に“形状”という新たな付加価値を加えた、ターニング・ポイント作になるかもしれません。監督のニコ・デ・レオンは、『ゾンビ・アルカトラズ』(2012)や『シン・アルマゲドン』(2016)など、アクション作品が得意なニック・ライオンの別名です。