小栗旬、「神頼みをすることはあります」【「天気の子」連載】
カッコイイ感じとそうじゃないところの中間の声を意識
――須賀を演じる上で、新海監督から何か要望はありましたか？
今回のボイスキャストは声が高めの方たちが多いので、少し低めの声をベースにしてやってほしいと言われました。でも、あまり渋くなりすぎると「少し直してください」と言われるので、カッコイイ感じとそうじゃないところの中間の声を目指しました。
――これまでの新海監督の作品はご覧になられていますか？
ほとんどの作品を見ていると思います。いつもピュアな物語が多いなと思いながら拝見しているんですけど、個人的になお気に入りは「言の葉の庭」。僕が初めて見た新海さんの作品だったのもありますが、風景を含めて、新海さんの切り取られる部分をとても身近に感じられました。あの鮮やかな世界観は、画を見ているだけで心が現れるような気がしますよね。とても夢のある世界だと思います。
――小栗さんはこれまでにも声優のお仕事をされていますが、声だけで演じることの難しさと面白さはどこにあると思いますか？
難しさは、求められている声にうまくフィックスさせること。プロの声優さんのように、つねに同じ声を出せるわけではないので、そこが難しさですね。例えば、作品によっては声優さんぽくパリパリした声を出してほしいと言われることもあれば、今回の新海さんのようにはっきりした声とナチュラルな声の中間でやってほしいと言われることもあって。その声のチューニングが難しいところであり、逆に面白いところでもあります。
――声優として役と向き合うときと、俳優として役に向き合うときとでは違いはあるのでしょうか？
そんなに大きな違いはないですけど、声のお仕事のときのほうがデフォルメできるというのはありますね。自分の実体が映像に映っているときに、デフォルメしすぎてしまうと違和感が出てきてしまうけど、アニメーションの場合はいろんな方向性が作れるというか。それも声のお仕事の面白いところだと思います。
ただ、海外作品の吹替えは、本当に大変だと思います。単純に英語だと2単語ぐらいのセリフが日本語では「え？ あ、ちょっと」となるので、タイミングを合わせるのがすごく難しいんですよね。
――普段は俳優さんとして活動されているだけに、声でお芝居をするときにも動きがついてきてしまったりすることは？
それはありますね。似たような体勢にしたほうが音が出やすくなるので。でも、プロの声優さんはそれを微動だにせずにやられるので、あれは本当に職人技だなと思います。
――それでは今回の「天気の子」の見どころを教えてください。
世界観はとても大きいけれど、物語の軸になっているのは帆高と陽菜のピュアな思いですからね。純粋に若者たち二人の青春を一緒に感じられる作品になっていると思います。
取材・文＝馬場英美
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
映画「天気の子」
公開中
配給＝東宝
原作・脚本・監督／新海誠 音楽／RADWIMPS 声の出演／醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、小栗旬ほか
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