<なつぞら>広瀬すず“涙の長台詞”秘話 “完璧な演技”に「ワンテイクでいこう」
現在放送中の連続テレビ小説「なつぞら」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。奥原なつ(広瀬すず)と坂場一久(中川大志)の関係が大きく動いた第18週について、制作統括の磯智明氏に撮影の裏側を聞いた。(以下、ネタバレがあります)
「なつぞら」は、戦争で両親を亡くし、きょうだいと離れて北海道・十勝で育ったヒロインのなつが、高校卒業後に上京し、アニメーターとしてみずみずしい感性を発揮していく姿を描く物語。
第107回(8月2日)では、なつが職場の同僚・坂場からプロポーズされるも、坂場が監督を務めた漫画映画の興行が振るわず、東洋動画を自主退職することを決めた坂場に「忘れてほしい」と告げられる場面が描かれた。
喫茶・リボンでのこのシーンは、なつの坂場への愛が初めて語られた。なつを演じる広瀬の長台詞と涙の演技にもらい泣きした視聴者も多いのではないだろうか。
このシーンの撮影はワンテイクの一発OKだったという。磯は「はじめは長いシーンで、芝居場なので、きっと撮影に時間がかかると思っていました。でも、テストで広瀬さんの演技を見させていただいたときに、長台詞の言い回しも感情表現もあまりにもパーフェクトだったので、これは何回も撮る必要はない、ワンテイクでいこうとなりました」と広瀬の演技に圧倒されたと振り返る。
広瀬もなつが気持ちを伝えるシーンは特別なものだと思っていたと言い、磯は「広瀬さんは、スタジオに入った時点からいつでも本番を迎えられるような、まるでこのシーンのために全てのコンディションを完璧に整えている印象でした。その気配を察して、ワンテイクでいこうと現場の雰囲気も固まったように感じました」と振り返り、
さらに「広瀬さんのお芝居を撮らなきゃいけない、撮り逃しちゃいけないと緊張感が現場にも生まれましたし、その雰囲気にもおされて、中川さんも芝居に集中している印象でしたね。カメラワークや芝居、全てが一体化したような完璧な現場でした。そういう瞬間って、ドラマの現場にはあるんですよね」と笑顔を見せた。