'11年秋公開予定の映画「ツレがうつになりまして。」の撮影快調会見が1月26日、都内で行われ、主演の宮崎あおい、堺雅人と、佐々部清監督が出席した。
同作は、漫画家・細川貂々(てんてん)が自身の実体験をつづったコミックエッセーを実写映画化したもの。'09年5月にはNHKにて藤原紀香主演でドラマ化もされている。ある日突然、うつ病になった夫・幹夫(堺)と彼を支える妻の晴子(宮崎)の闘病生活をユーモアたっぷりに描く。
宮崎は「わたしは、のんきでゆるい女性の役なのでいつもふらふらニコニコしています。現場はおだやかだけど、いい緊張感に包まれているのですてきな作品に仕上がる予感がします」と、撮影中の状況を笑顔で報告。先日、たくさんのエキストラを交えた通勤ラッシュシーンの撮影があったらしく「ある女性の方が、撮影中に突然泣き出したんです。“どうしたんですか?”と聞いたら『1年ぶりに電車に乗れました』と、おっしゃられていて、身近にもうつ病で苦しんでいる方がいるということを実感しました。この作品がそういった人たちのパワーになってもらえればうれしいです」と、真摯(しんし)にコメントした。
一方、うつ病になる夫を演じた堺は「うつ病で苦しんでいる人はたくさんいるのに、まだよく分かってない病気みたいなんですね。演じるにあたって、シクシク泣くんじゃなく多少生ぬるくなっても自分の手の届く範囲でうつ病をとらえていきたいです」と意気込んだ。作品については「うつ病というテーマを扱ってる作品ですが、特別な話ではなく普通の物語だと思うんです。“6割ぐらいの力でうまく人生やっていこう”という気持ちはリアルな夫婦の形だと思うし、“うつ”と“普通”は何が違うんだろう、って思いながら演じてます」と分析した。
大河ドラマ「篤姫」('08年・NHK)以来、約3年ぶりに夫婦役を演じる宮崎と堺。お互いの印象を聞かれると、宮崎は「楽しみにしてたんですけど、いい意味で変わってないです。現場では『どうしてここは、こうなんだろ~?』って演技についてずっと考えてる人です」と語り、堺は「とても頼りにしてるんです。僕はうつ病の役なので、不安にならなければいけないんですが、安心して不安になれる。3年前と変わらず“おんぶに抱っこ”状態です(笑)」と笑みを浮かべた。
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