サマソニ20年の歴史を振り返る(後編) QUEEN、ファレル、レディヘ…進化と変化の9年間を回顧!
第14回(2013年):METALLICA、MUSE
初日がメタリカとリンキン・パーク、二日目がミューズとMr.Childrenという、1日2組のダブル・ヘッドライナー体制となったこの年。中でもミューズはトップバッターとして参戦した初年度から、ついにヘッドライナーまで上り詰めた記念すべきライブとなった。
一方で、PET SHOP BOYS、CHEAP TRICK、EARTH,WIND&FIRE、CYNDI LAUPERなど、さまざまなジャンルのレジェンドアーティストが参戦。貫禄のパフォーマンスでファンを喜ばせた。
また、2011年に復活したサマソニ前夜祭「SONIC MANIA」には、この年THE STONE ROSESやサカナクションなど、ライブアクトも増加。サマソニ本編ともより地続きな印象となり、3日間参戦という強者も増えたとか。
観客が増加する中、お目当てのアーティストを前で見るため、直前のアーティストからステージ前方に座り込む“地蔵”と言われる迷惑行為に及ぶ観客が目立つ場面も。そんな厳しい局面でも、代表曲を惜しげもなく披露しステージを盛り上げたTHE SMASHING PUMPKINSには称賛の声が上がった。
第15回(2014年):ARCTIC MONKEYS、QUEEN + ADAM LAMBERT
7年ぶりとなるアークティック・モンキーズと共にヘッドライナーを務めたのは、映画「ボヘミアン・ラプソディ」で2018年一気にブームとなった感のあるクイーン。この年はアダム・ランバートをボーカルに迎えて登場した。
そのクイーンのライブでは、途中スクリーンにフレディ・マーキュリーが「登場」。ブライアン・メイが「Love of My Life」を弾き語りで披露した際には、ブライアンの立ち位置に向けて何かをつぶやいて去っていくという粋な演出も。「Bohemian Rhapsody」「We Will Rock You」「We Are The Champion」まで、代表曲目白押しのエンターテイメントショーとなった。
ほか、Led Zeppelin時代の楽曲も新たなアレンジで披露したROBERT PLANT and THE SENSATIONAL SPACE SHIFTERS、3Dメガネを配布しVJまで楽しませたKRAFTWERK、名曲「North Marine Drive」で往年のファンを涙させたBEN WATT with BERNARD BUTLER、80年代の楽曲をアップデートさせた森高千里 with tofubeatsなど、レジェンドアクトも持ち味を存分に発揮。
そんな中で大きな話題を集めたのが、ジャニーズグループとして初参戦となったTOKIO。比較的朝早くの時間帯にも関わらず、ステージが入場規制となるさすがの人気ぶりで、ラストの「LOVE YOU ONLY」で大合唱が巻き起こるなど、大盛りあがりのライブとなった。
第16回(2015年):THE CHEMICAL BROTHERS、PHARRELL WILLIAMS
ケミカル・ブラザーズとファレル・ウィリアムスがヘッドライナーを務めたこの年は、2010年以来のロックアクト以外が両日ヘッドライナーとなっただけでなく、マリンステージがポップ系、そしてEDM等のDJ系アクト中心へと大きく変化。
そんな中でファレルはN.E.R.D.時代の楽曲を含め、自身の関わった楽曲を次々と披露。終盤にはROBIN THICKE「Blurred Lines」、DAFT PUNK「Get Lucky」に続いて、世界中のアンセムとなっていた「Happy」を投下し、文字通り多幸感に満ちた空間を演出してみせた。
この年最も注目を集めたのは、初の来日公演となったD'ANGELO AND THE VANGUARD。15年ぶりとなるアルバムでシーンに帰還した天才は、詰めかけた観客を前に圧倒的なグルーヴを展開。ラストの「Untitled」では、各メンバーが一人ずつステージを去っていくという演出も。ネオ・ソウルの濃密なサウンドとディアンジェロの歌声に、観客は大いに酔いしれた。
また、この年はTHE ORIGINAL JAMES BROWN BANDやZAPPといったファンクの大御所に、日本の大スター・郷ひろみまで参戦。今をときめくBTS(防弾少年団)が初出演していたことも、サマソニの歴史にとって大きなトピックとなりそうだ。
8月12日(月)昼5:30-夜6:45
WOWOWライブにて放送
https://www.wowow.co.jp/detail/115825