<Amazon Prime Video独占配信記念>「劇場版コード・ブルー」ヒットは必然か、偶然か?心に刺さる4つのフックをひも解く
この記録は現在、日本の歴代映画興行収入の中で、邦画実写作品5位となり、それより上位にある同カテゴリ作品は2003年の『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(173.5億円)をはじめとするシネコン時代以前の作品だけとなっている。まずは、これがどういう意味を持つかを説明したい。
シネコンになる以前、どのような興行形態だったかを思い出してほしい。シネコン以前、映画館には一番館、二番館、三番館……といった区分があった。一番館はこの中では収容人数が一番多く、封切り館として作品封切り日に上映する映画館、二番館はその次で中規模の収容人数、三番館はそのまた次でさらに小規模に、というように、作品がムーブオーバーしていく仕組みだった。作品封切り後、その作品が大当たりすれば一番館での上映が長く、二番館以降へのムーブオーバーは遅くなり、必然とそれ以降の劇場へ回ってくるタイミングも遅くなる。
たとえば歴代興収トップの『千と千尋の神隠し』(2001年)や2位の『タイタニック』(1997年)は、どちらもほぼ1年間、ムーブオーバーを繰り返して興収を伸ばした作品だ。一方で、ムーブオーバーしても動員しないとなると、ソフト化になるのだが、その目処となった基準は封切りから半年。『千と千尋の神隠し』や『タイタニック』がどうだったかというと、動員が途切れないことからソフト化までに1年程度を要したことでも話題になった。ちなみに、実写邦画で不動の1位の記録を持つ『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』も、1年間ほどの興行を経ている。
では、今はどうなっているのか。
まず劇場がシネコン化すると、一劇場が複数のスクリーンを有することで、シネコン内でのムーブオーバーすることができるようになった。封切り時は大きなスクリーンを使い、動員に合わせて小さなスクリーンに移したり、そのまた逆のパターンもある。劇場における作品の需要に合わせて、箱の大きさを変えられるということだ。フレキシブルで合理的なシステムではあるが、これでは長期にわたる興行は難しい面もある。そのため、ソフト化の基準も変わっており、封切りから半年を待たずにリリースされるようにもなってきている。
たとえば歴代興収3位の『アナと雪の女王』(2014年)は、興収255億円超のほか社会現象を生んだほどのヒットとなったが、ソフトのリリースはなんと4カ月後の7月。ソフト化の発表は5月のGW明けあたりだったと記憶しているが、ドル箱ともいえる作品を封切りからたった4カ月でソフト化。ましてやGWの稼ぎ頭だった作品で即ソフト化するニュースを流しても、動員が落ちなかったという証拠が、この興収の数字からみてとれる。
2019年8月27日(火)よりAmazon Prime Videoにて見放題独占配信スタート
配信開始日:2019年8月27日(火)
■「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」の視聴はこちらから
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