劇場版「ガンダム Gのレコンギスタ」日本最速試写会開催! 総監督・富野由悠季「『ザブングル』を思い出しました」

2019/08/26 16:39 配信

アニメ

11月29日(金)より公開される劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」ポスタービジュアル(c)創通・サンライズ


『劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」』試写会後のトークショーで、作品に込めたメッセージや、テレビ版を劇場版に作り直すにあたってのこだわりなど、「Gレコ」に懸ける熱い思いを語った富野由悠季総監督。以下、トークショーの一部を公開する。

富野由悠季「今までのモビルスーツものとは違う作品になっています」


「子どもたちに解決策を考えてもらいたいと思い、分かりやすい物語にしておきたかった」と「Gレコ」に込めた思いを語る富野由悠季総監督(右)


山口洋三(福岡市美術館・学芸係長):今日初めて劇場版を拝見して、テレビシリーズと比べて分かりやすくなったという印象を持ちました。新作カットなどで心情や状況の説明が分かりやすくなったと感じましたが、直し方などを伺えますか?

富野由悠季:自分の手だと昔からの富野流に染まってしまっていますので、“児童向け”という言葉を使いますが、そういう風にしておきたかったというのがあります。今の「Gレコ」の中で描かれている問題というのは全部、現在解決ができない問題というものを画(え)にしています。そういうことを考えてもらうためには、これからおそらく150年くらいかかるんじゃないかと思っています。なので今、子どもたちにその問題意識を分からせておいて、解決策を考えてもらいたいと思い、子どもたちに向けて分かりやすい物語にしておきたかったということで、こういう直しになっています。

山口:今作は一種のおとぎ話のようにされており、監督の子供たちへのメッセージをこういった物語に託して、映画にしてお見せしている。これがいつも監督がおっしゃっている“物語の力”なのかなと思いました。

富野:漫画とかアニメというものは、画を使って物語ることができる性能がものすごく高いものだと思っています。ヘイトスピーチを言うのは簡単で、固有名詞を使った瞬間に全部ヘイトスピーチになるんですよ。それを絶対にしないでそういうことを描くということができるのが、アニメの持っている性能の高さ。今10歳になるかならないかの子どもたちが引っ掛かるような物語を作っておくということがとても大事なことで、アニメだからそれができるのかもしれないということで挑戦している。そういう意味では、今までのモビルスーツものとは違う作品になっているという風には自負しています。

(来場者からの質問):劇場版第1部を制作していて楽しかったところは?

富野:「Gレコ」は全体的に楽しかったんです。キャラクターをこういう設定にしたおかげで、キャラクターっていうのはこういう風にあっけらかんとしている方が、やはり楽しいなということがあったわけです。ですから、やはり深刻なものはあまり作りたくないなということを改めて感じました。また、今その質問を受けていてふと思ったのは、今回の展覧会(「富野由悠季の世界」展)のことがありましたので、パッと思い出したのは「(戦闘メカ)ザブングル」(1982~1983年、テレビ朝日系)でした。やっぱり楽しかったですよね。

2019年から2020年まで、福岡・神戸・島根・青森・富山・静岡の全国6都市にて開催される展覧会「富野由悠季の世界」(c)手塚プロダクション・東北新社 (c)東北新社 (c)サンライズ (c)創通・サンライズ (c)サンライズ・バンダイビジュアル・バンダイチャンネル (c)SUNRISE ・ BV ・ WOWOW (c)オフィス アイ


映画『劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」』は、2019年11月29日(金)より2週間限定で、東京・新宿ピカデリーほか全国22館の劇場で上映される。