お笑いの総合王者を決める大会「お笑いバイアスロン2019」の決勝が8月31日、沖縄県那覇市のタイムスホールで行われ、初恋クロマニヨン (比嘉憲吾・新本奨・松田正)が初優勝し、賞金30万円を獲得した。
同大会は、漫才とコントの総合得点で“お笑い総合王者”を決めるネタバトル。決勝戦に進んだのは、連覇を狙うありんくりんやノーブレーキ、猫ノカケラ、しんとすけ、だるま、パーラナイサーラナイそして敗者復活戦を勝ち抜いた知念だしんいちろうの8組。審査員は、全国区で活躍する放送作家の伊藤正宏氏、内村宏幸氏、鮫肌文殊氏、高須光聖氏、中野俊成氏の5人が務めた。
ファーストステージで行われたコントでは、前回王者のありんくりんが沖縄民謡の踊りの大会に外国の助っ人が加わるという設定で会場を沸かし、審査員の高須氏は「(前回王者として)自信に満ちている」と絶賛。しかし、それを上回ったのが初恋クロマニヨン。48歳になってもプロの野球選手を目指すという親子のコントに会場は笑いに包まれ、ありんくりんを1点上回り、トップに立った。
最終ステージで行われた漫才は、トップの初恋クロマニヨンが結婚式の友人代表スピーチに対して、親戚のおじさんがツッコミまくるという設定でトップの座を譲らず、大会初優勝を飾った。審査員の中野氏は「(友人スピーチに対して)親戚のおじさんがヤーヤーツッこむという設定が微妙で、その微妙さが面白かった」と賞賛した。
優勝が決まった瞬間、喜びを爆発させ、松田はうれしさのあまり思わず男泣き。会場からは祝福の拍手が沸き起こり、温かい雰囲気に包まれる。
一緒にもらい泣きしたように見えた比嘉は、泣いている理由を聞かれると「毎回、古堅(ふるげん)交差点右折できない~」と地元ネタで芸人らしく、会場をどっと沸かせた。
審査員の内村氏は今大会を振り返り「新しいメンバーも入り、新鮮な感じだった。コントと漫才の差はあまり感じず、みなさんの実力が上がってきた」と出場者を称えた。
大会終了後のインタビューで、初恋クロマニヨンは、「舞台上で崩れ落ちちゃうじゃないかというくらいうれしくて死にそうでした」と初優勝の喜びを語ってくれた。昨年の大会が5位という悔しさから、ツッコミ担当を新本から松田に変更。「もともとの性格に合わせて変更し、今回の結果はたまたま良かった」と謙遜しながらも、大きな決断に手応えを感じていた。
ファーストステージで前回王者のありんくりんが1点差に付いていたことに「正直、やばいとは思った。漫才でまくられるか心配だったが、言ってもしょうがない。点数は見ないようにして、ただ楽しんでやろう」と挑んだとのこと。「人のネタを見たくなくて、ずっと隠れていた。漫才では他のコンビがウケていたら気負うこともあるので…。改めて漫才はメンタルの競技」と痛感した様子だった。
今後について、松田は「新しい形で優勝できたので、これからのネタつくりも楽しみ。新しいスタイルで多くの客を笑わせたい」。新本は「いろんなパターンを見せられて、観客も自分たちも(ネタと自分たちのキャラが)合っているなというのが見せられたらいい」。比嘉は「今回のネタのように全員がボケて、全員がツッこめるように出来たら最強だと思う。それに近い3人だと思うので、それをどんどん表現していきたい」とそれぞれが意欲を見せていた。
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