――夏といえば、今年も「SUMMER STATION 音楽LIVE」(以下“サマステ”)に出演されたじゃないですか。あのステージの最後に、綾巴さんが松本慈子さんに言った「綾巴が守ったチームSをよろしくね」って一言がすごく印象的で。というのも、あの言葉ってチームSのリーダーとしてずっと悩み続けた綾巴さんからようやく出た、リーダーとしての自己肯定の言葉だった気がするんです。
リーダーとしてできたことは少ないかもしれないけど、「自分でできることを全て全力でやり切ったな」ってあの場で思えたんです。最近は「チームS良くなったね」とか「北川チームS好きだよ」とか、よく言ってもらえるようになって、諦めなくてよかったなって思ったら、自然と口から出ましたね。
――2017年の2月に就任してから、ずっとリーダーというものに対して悩んでいる姿はファンの方も見てきたと思うんですけど、その半面、はっきりとした弱音は吐いていなかったとも思うんです。
本当ですか? 逆に言おうとすることが全部弱音になっちゃいそうだったので、なるべく言わないようにはしていましたね。気持ちの中では弱音ばっかり吐いていたので、今そういうふうに見られてなかったんだって思いました(笑)。
――公式ブログやアメブロに弱音を書いていることはなかったかなと。
確かに。「SKE48 Mail」(公式サイトの有料コンテンツ、通称“モバメ”)にはまあまあ書いてたんですけど。
――今回お話を聞くためにいろいろ調べてきたんですけど、まさにそのモバメで、今年の1月に「あとどれだけ頑張ったら 綾巴はリーダーとして みんなに認めてもらえますか??」という内容もありました。
やばいですね(笑)。モバメだと弱音ばっか吐いてるんですよ。
――だからこそ、サマステの「綾巴の守ったチームS」という言葉のインパクトが強くて。
まだ認めてもらえたとは自分では思っていないけど、卒業するってなったらリーダーも終わりじゃないですか。それを考えたら「一生懸命やれたな」「自分にしてはできた方なんじゃないかな」って思って。だから多分、(サマステのときは)たまには自分を褒めてあげようと思ったんじゃないですかね。
前はずっと「ダメだ。できない。どうしよう」って考えちゃってたんですけど、今はちょっとうまくいったり、できたりしたときには「今日はよくやったな」って考え方ができるようになって、ネガティブになる時間が減りました。
――ある意味、開き直りができるようになったんですかね。
そうだと思います。卒業を決めてからはそういう切り替えというか、「落ち込んでてもしょうがないや」とか「頑張ったからいいじゃん」みたいな考え方もできるようになりました。
――僕は、ファンの人たちから既に綾巴さんはチームSのリーダーとして認められていると思うんですけど、綾巴さん自身がそう思わないのって、リーダーの理想像を高いところに置いていたりするからなんでしょうか?
私はリーダーっぽくないし、リーダーに向いているか向いていないかと言われたら、やっぱり向いていないと思うんです。後輩って先輩から学ぶことが多いと思うんですけど、チームSは他のチームより先輩の数とか選抜メンバーの数が少ないから、ちゃんと後輩たちがそういうふうに思ってくれているのかなって考えちゃって。
自分もまだまだだし、説得力のある発言とかもうまくできないから、後輩たちに申し訳ないなって気持ちが一番あって。それでどんどん気持ちが落ちていっちゃうんですよね。
――決定的な何かがあったわけじゃないんですね。
そうですね。ずっとそういうことを考えていて、みんなに申し訳ないなって。もっと私がバリバリ発言できて、リーダーシップがあって、ガツガツ引っ張っていけるタイプだったら、もっと引き出せたものがあったのかなとか、自分を責めることが多かったです。
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