──ところで、お二人は普段、一観客としてお芝居を見に行かれることは?
板尾創路:最近はあまり行けてないんですけど、この前、(東京・新宿の)紀伊國屋ホールで、平田オリザさんの脚本で、映画監督の本広克行さんが演出を手掛けた「転校生」という舞台を見に行きました。
女子校版と男子校版があるらしくて、僕が見たのは女子校版だったんですけど、なかなか面白かったです。言うたら、教室で女子高校生がただしゃべってるだけなんですけど、それがすごく自然で、全体の構成も巧みでね。
西田シャトナー:難しいんですよね、舞台上で自然にしゃべっているように見せるのって。
板尾:そう。かなり稽古をしているなっていうのも感じましたし。
――西田さんは?
西田:僕はこういう仕事をしていながら、そこまでたくさんは見てないんです。どうしても、見に行くよりも自分で作りたいっていうのが先に来ちゃうんですよね。
ただ、ここ3、4年ですかね、改めて小劇場劇団の芝居が面白くなってきている気がしていて。今の時代、興行というものは、商業的によほど知恵を働かせないともはや成立しない。それを承知の上で、今も小劇場で黒字にならないかもしれない公演をやっている若い連中がいるっていうことに、僕はすごく胸を掻き立てられるんですよね。
──少し話は逸れますが、西田さんは、“役者・板尾創路”に対してどんな印象をお持ちですか。
西田:舞台で演技している板尾さんはまだ拝見したことがなくて、映画やドラマでの印象になってしまうんですが…、もう最高ですよね(笑)。
僕は特に板尾さんのコントが大好きで。板尾さんの演技から“物語”を感じるんですよ。佇まいに“文学”を感じるというか。ちゃんと笑いを取りながらも、じんわりと怖かったり、しみじみさせられたり。それこそ、先ほど言った“分析できないすごさ”を感じますね。
──ちなみに板尾さんは、舞台の作・演出をしてみたいというお気持ちは…?
板尾:興味がないことはないんですけどね。舞台の公演に役者として呼んでもらって参加するたびに、作る側の大変さを見ているので、なかなか手を出せないというか。
西田:見てみたいですけどね、板尾さんの作る舞台。
板尾:舞台の作品を作り上げたときの充実感って、すごく大きいんでしょうけど、やっぱりなかなか…(笑)。
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