──ではお話を本題に戻して、改めてお聞きします。ずばり、演劇の魅力とは?
西田シャトナー:舞台の上で表現する芸術というのは、プロジェクションマッピングをはじめ、最新の表現手法がどんどん出てきているんですね。でも、そんな中で、演劇はいまだに手作りが根幹に残る世界。友達の家のホームパーティーで「演(だ)し物をやるから見てくれ」って言って始めるような、原初的な面白さがあるんです。言ってしまえば、デジタルで音楽を聴けるようになっても、生ギターを弾くのがやっぱり楽しい、というのと同じで、この先どれだけ技術が進んでも、演劇の面白さっていうのはなくならないと思うし、僕はそこに興味があるんですよね。
板尾創路:芝居って、知り合いが出てるからというだけで見に行ったとしても、見ているうちに、知り合いとは別の、全く知らない役者さんが気になってくることもあるじゃないですか。いつの間にか物語に引き込まれて感動することもあるし。
だから、小劇団なんかだと、身内にチケットを売ったりすることも多いみたいですけど、その身内の人が、それをきっかけに芝居そのものに興味を持って演劇ファンになる、という可能性もありますもんね。
西田:そういえば、身内ばかりにチケットを売るのはビジネス的にはアカンと、よく言われるんですよね(笑)。
板尾:まぁ、そうですよね。お客さんの層が広がらないから。
西田:でも、身内しか見に来てない芝居が、めっちゃおもろいときもあるんです(笑)。
板尾:アハハハ。だから、そういうところもいまだにあるのがある意味、演劇の魅力というか。
あと、芝居って不思議なもんで、同じ演技でも日によって全然違ってくるじゃないですか。自己満足で終わってしまうときもあれば、こっちが今いちやと思ってても、意外と受けがいいときもあるし。
西田:ありますよねぇ。演じる側が「あそこは最悪やったな、失敗やな」って落ち込んでたら、「あの演技がすごくよかった」って、めっちゃ褒められたり。その逆もあるから怖いんですけどね(笑)。
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