マギー、北村一輝との掛け合いはまるで漫才!「関西のノリが楽しくてアドリブも多い現場」<スカーレット>
マギー「誰しもの家の隣にいた、にぎやかでおせっかいなおじさん」
――ご自身の役柄についての印象や、役のここに注目してほしいという点はありますか?
今回は、北村一輝さん演じるジョーさんとの絡みが多いのですが、ジョーさんとの仲よし加減って関西のことば独特のわちゃわちゃ感だったりとか、“西のグルーブ”で表現しやすいんです。
僕らはお互いに関西出身なので、割と最初から演じやすかったかなと思いますね。西のグルーブって、目には見えないし言葉で説明するのもなかなか難しいんですけど、「肌合い」というか、リズムというか、そういうものがピタッとくる感じです。
北村さんとも、台本にあるセリフの行間で「この2人、本当に仲がいいなあ」と感じてもらえたらいいねと話しています。
オウちゃん(大野忠信)には、ジョーさんに戦場で助けてもらったというすごく大きな恩義があり、ジョーさんと長く近くにいる存在です。ジョーさんは不器用だったり、タイミングが悪かったりして、結果的に家族を困らせたりするけれど、わざと家族を困らそうとしたことや、家族をかえりみないで何かをしたことは、オウちゃんから見て一つもない。
だから「んも~、ジョーさん! 不器用なんだから!」と、支えたりするんですよね。現代の特に都会の人たちって、隣人をお世話するとか世話になった人の近くで恩を返すという気持ちを失ったわけじゃないけど、なかなかそれを発動する機会がなくなってきてると思うんです。
でもオウちゃんは、そういう誰しもの中にある気持ちを発動しまくってるおじさん(笑)。だから特別「人がいい」ってわけじゃないと思うんですよね。人のお世話したり、隣人のことが気になって、一緒に泣いたり笑ったりする…。そういうテンションはみんなと同じぐらいだけど、その気持ちを発動する機会が大いにあるっていう、そういう人なんだろうなって思います。
特別な人というより、あの時代に生きた「ある普通にいた人」、そんな印象を受けています。誰しもの家の隣にいた、にぎやかでおせっかいなおじさん。文房具屋のおじさんです。「僕もオウちゃんみたいなタイプです」と言うと、近所の人に「ウソつけー」と反論されそうだけど(笑)。