中村勘九郎と阿部サダヲがダブル主演を務める大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。
同作は、宮藤官九郎が脚本を手掛け、日本で初めてのオリンピックに参加した金栗四三(勘九郎)と日本にオリンピックを招致した田畑政治(阿部)が奮闘する姿を描く。
本作のナビゲーターを務めているのは、四三と同じ時代の東京を生きた落語家・古今亭志ん生(ビートたけし)。四三の人生とともに、志ん生の青年期・美濃部孝蔵(森山未來)の物語も進んでいる。
そんな孝蔵と、戦争中に満州へ慰問興行に向かう三遊亭圓生を演じるのが中村七之助だ。
圓生は“昭和の大名人”の一人であり、当代随一の落語家。
今回、そんな七之助に圓生を演じる上でのこだわりや手掛ける作品への出演経験も多い宮藤、また、金栗四三を演じる実の兄・勘九郎についてなどを聞いた。
「通行人Aとか端役で出演できるかなと思っていたんですよ」
――出演が決まった時の感想を教えてください。
兄(勘九郎)が主役をというのがとてもうれしくて、初回から毎週欠かさず見ています。
脚本の宮藤官九郎さんとは映画「真夜中の弥次さん喜多さん」(2005年公開)や歌舞伎の脚本・演出など関わりもありますので通行人Aとか端役で出演できるかなと思っていたんですよ。ランニングしている金栗さんの横を通り過ぎる歌舞伎俳優みたいな(笑)。
「お、頑張れよ、金栗」くらいのワンシーンだと思っていたので、圓生というとても大きなお役を頂いてびっくりしました。
――出演が決まってから勘九郎さんとお話されましたか?
そうですね。「いい作品だから変に見えたらいやだなぁ」って言ったら、「大丈夫だよ」って言っていましたね。
――実際に落語家を演じられてみていかがでしょうか?
おいそれ、とできる芸ではないので、出演が決まった時からどうなるんだろうと不安でした。
落語は昔から聞いていますし、時間があれば寄席にも行きますし、CDも持っているのでこれまでも触れてはいるのですが、自分がやるという想定はしていなかったので…。
「いだてん―」すごくいい作品ですし、未來くんの孝蔵が素晴らしいので、作品に泥を塗らないようにしなくては、と思っています。
目も当てられないような芸ですが、“変”にならないように気を付けてやりたいですね。
――語尾に「でげす」がついたり、話し方も特徴的ですよね。
そうですね、そのことに関しては、少しは慣れていると思います。歌舞伎でも昔の芸人さんの言葉を使ったりするので聞き慣れているんです。
だから話し方に関してのプレッシャーや違和感はなかったです。