空族・富田克也&相澤虎之助が「活弁シネマ倶楽部」で最新作『典座-TENZO-』を語る!
「宗教は震災以降、世の中の人から求められている」(相澤)
本作において一つのキーワードとなる「3.11」について、脚本を務めた相澤は「福島のことを描こうって話が出てきたのは、青年会の皆さんの話を聞いている中で、『震災以降、世の中の人から求められていると感じる』って仰っていたんです。
それまでは“葬式仏教”とか揶揄されることもあったんだけど、人々が親交や心の拠りどころを求めているのを感じるっていうのを聞いて、僕たちも福島(を取り上げること)にチャレンジしようと思ったんです」と、取り上げた経緯を語る。
一方で、富田は「震災後すぐに物資を届けるために福島を訪れて、一応カメラも持っていったんですけど、今すぐ何かをどうこうっていうこともできないほどのすさまじい風景を目の当たりにして。その年の5月にも行ったんですけど、映画を撮ることは到底考えられなかったんです。
あれから8年近く経とうとして、ようやく福島を映画の中で題材として扱おうという気持ちになったというか。先ほどの話にもありましたけど、お坊さんたちがそういう思いになった(ことが大きい)。その人々に求められているという感覚は、僕たちも一致したんですよね」と、葛藤を経てのテーマ設定について振り返った。
そのほか、番組内では「空族」の過去作品、関連作品の全カットが入っているシーンがあったり、「これまでの過去作すべてが本作に繋がる作品であった」という富田の思いなど、あらゆるエピソードが語られている。フィクションとドキュメンタリーを通して仏教を描く本作の魅力に、ぜひ触れてみよう。
富田克也監督と相澤虎之助が語る!! 活弁シネマ倶楽部#52
■映画『典座-TENZO-』
公開中
https://sousei.gr.jp/tenzo/index.html