水野美紀「やりたいことを貫く強さを持った人」
――ご自身の役柄についての印象や、役のここに注目してほしいという点などはありますか?
この時代(1950年代)に女性の新聞記者は珍しかったようで、男性ばかりの職場で女性一人という状況の中、見ての通り色気もなく、身なりも気に掛けず、外見も内面も勇ましい女性です。人の意見に左右されず、周囲にどんなことを言われても、自分のやりたいことを貫く強さを持った人だと思います。
20代を演じるので、ぼさぼさの髪や眼鏡という設定は(年齢を)ごまかすこともできるのでありがたいです。眼鏡も大きいですし、そばかすも少し描いていたりしていて、これまでに演じたことのないキャラクターです。
ちや子は布団の下にズボンを敷いてアイロン代わりにしているのですが、昔私も制服のスカートのひだを整えるのにやってたことがあって、懐かしく思いました(笑)。昭和世代ですので、セットの雰囲気も懐かしいです。
――収録に参加されてみて、現場の印象はいかがでしょうか?
戸田恵梨香さんとの共演は初めてです。戸田さんは10代を演じることのさじ加減が絶妙でお見事だと思いました。わざとらしくなく、自然に10代の若い感じをにじませていらっしゃるんですよね。
バランス感覚がいいというか、お芝居がしっかりされている方で、一緒に掛け合いなんかしていてもとても楽しいです。木本武宏さん演じる、田中雄太郎が出てくるシーンはすごく面白くて、全部雄太郎さんに持っていかれるので出演者はみんな悔しがっていました(笑)。
私は雄太郎さんの面白さを全力でサポートできるように心掛けました。木本さんが撮影に参加してから、待ち時間の待機場所でも、雄太郎さんを中心にわいわいと話の輪が広がって、メンバー間の結束が高まって、ちょっとしたアドリブも飛び出したりするなど、お芝居のグルーブ感も高まっていった感覚があります。雄太郎さんがなにかやらかすシーンの撮影をみんな楽しみにしていて、かなり盛り上がっていましたね。